生成AI時代の就活
梅雨は明けたのでしょうかね。うなるような猛暑。当初は暑さに身体がなじまず調子が良くなかったですが,だんだんなじんできました。それでも,できるだけ涼しい屋内にいるようにはしています。屋外では,見るからに暑そうな格好をしているサラリーマンがいますが,気の毒です。服装はもっと自由にさせてあげたらよいのですが。就活ルックも変わるべきでしょう。個性のない服装は,これまでは,そちらの組織に染まりますという従順さのアピールで,就活生にとってマストであったと思いますが,いまや本人の平凡さを示すもので,伝統的な大企業を除くと,マイナスポイントとなりかねません。生成AIの時代,「あなたはAIを使って何ができますか」と尋ねられたときに,AIだけでできてしまえるような平凡な答えしか出せないようだと,成長性のある企業には,採用されないでしょう。いわゆる就活スーツを着ているような人は,第一印象として,平凡な人であるという印象を与えかねません。
もちろん就活ルックは,就職活動期において,服装に悩まなくてもよいという点で効率的です。服装で競い合わないという学生間の「談合」が暗黙のうちにできあがって慣行化したという面もあるかもしれません。
ただ,オンライン面接をしないような企業には将来性がないともいえます(オンラインでは服装もある程度自由になるでしょう)。最後の1回くらいは対面をするとしても,オンラインをできるだけ活用している企業を学生も選択したほうがよいでしょう。従業員に余計な苦労をさせるような企業は避けるべきです。
ところで, ビジネスガイドの最新号では,「生成AIと人事労務」という特集のなかで,「キーワードからみた労働法」でも「生成AI」をとりあげてほしいというリクエストを受けました。私にとって「生成AI」関連で執筆した最初のまとまったものです。今日,労働問題において,生成AI抜きで語ることは不可能となってきています。AI時代の到来は,すでに言われていたことですが,生成AIの登場により,その発展のスピードが格段に高まりました。生成AIの登場で,人がモノを考えなくなることを懸念する声がありますが,ほんとうはその逆でしょう。社会が大きく変わるなか,これまで常識的と考えて思考停止していたことについて,一つひとつ考え直していくことが求められる時代ともいえます。社会貢献のあり方から,働き方まで,いろんなことについてAIを上手くつかいながら自分で考えていける人材が求められます。たかだ服装ですが,そこにはいろいろなものが詰まっているといえるかもしれません(もちろん,あえて黒一色にするという個性もありえます)。