日記

2023年5月 7日 (日)

ゴールデン・ウイークの終わり

  ゴールデン・ウイークの最後は大雨でしたね(能登地方は大丈夫でしょうか)。私は,もともと遠出をする予定はなかったので影響は受けませんでしたが,この間に,多くの人が外出したのではないでしょうか。マスクをする人も徐々に減っているように思います。
 私もときどき外にでることはありますが,いまはマスクをしないことがほとんどです。ときどき周りがみんなマスクをしている状況を知って,あわててマスクをつけるということもありますが。
 大学では,今学期は,学部の授業の一部だけ対面型が復活しています。当初は履修者が多く感染がこわいと思っていましたが,いまは履修者が減り,心配はすっかりなくなりました。ただキャンパスではマスクをしている学生が多いですね。とくに女子学生のほとんどはマスクを着用しているのではないでしょうか。教員も多くはマスクをしていますね。マスク着用をしていると顔がよくわからないので,挨拶をされても困ってしまうことがあります。5月8日以降, 2類から5類に変わるという専門家しかわからないような言い方で緩和が始まるようですが,あまり人々の行動には変化が生じない感じもします。感染の危険性は大きく下がったわけではなく,治療薬も基本的にはない状況であり,それとは別にマスク生活に慣れてしまって,いまさらマスクを外すのも恥ずかしいというような様々な要素が重なっているみたいです。私は基本的には在宅生活をしてきてノーマスクで過ごしてきたので,マスクをつけることに慣れていません。むしろマスクをつけて階段をおりると踏み外しそうになるので怖いのです。
 ところで,ゴールデン・ウイーク中の唯一の外出として,神戸の北野坂でやっている花のイベント「Infiorata」に行ってきました。イタリア語でfiore は花の意味で,それに接頭語のinをつけて動詞化したものの過去分詞です。要するに「花に飾られた」という意味で,それを名詞にしているのでしょう(前にも書いたかもしれません)。お花で人や物を描くものですが,上からみなければ全体像がみえないので,普通にみていると,ただ花が並んでいるだけです。それでもきれいです。MLBのダルビッシュ投手の花絵もありました。彼のお父さんの会社が北野坂にあるので,出品しているのでしょうかね。3日に行ったときは,何年前に行った時ほどは人は集まっていませんでしたが,それでもかなりの数の人がいました。欧米人っぽい人は,ほぼマスクをしていませんでしたね。

2023年4月 3日 (月)

感謝

 2泊3日で東京に行ってきました(今日は年次有給休暇を取得しています)。菅野和夫先生の傘寿のお祝いの会に出席するためです。ここ3年以上,神戸近辺から離れたことはなく,親族以外の人との会食というのもなかったので,ほんとうに久しぶりに社会的な交流をしたという感じでした。東京は外国人が多く驚きました。完全に田舎者ですね。
 神戸に引っ込んでいる私が今回,東京に行くことに決めたのは,菅野和夫先生に,どうしても感謝の気持ちを直接述べたいと思ったからです。お祝いの会は,菅野和夫先生の弟子が一堂にそろいました。外国からの参加もありました。会では先生に順番に近況を報告していくのですが,それを聞いていて,みなさんがほんとうに研究面や公的活動面で活躍されているなと再認識しました。また,若いころ研究室で重なっていた人たちと旧交を温めることができたのも良かったです。あれから30年以上経っているのですが,みんな老けましたし,家族をもつようになって,それなりに所帯じみてはきていますが,でも話をしているとあの頃に戻ったような気がします。10年前の先生の古稀のお祝いの時も集まっていたはずですが,そのときと違った感覚をもったのは,私自身が変わったこともあるのかもしれません。
 ところで,振り返ると,いまの私があるのは,学部生のときに先生がその年の労働法の講義の最終回で研究者の世界を勧めるような発言を聞いたからです。その発言は受講していた学生全員に向けたものだったのですが,どういうわけか私の心に刺さってしまいました。それから大学院に入れていただき,博士号までいただき,神戸大学への就職もさせてもらいました。その恩を返すこともなく,研究面では,道を踏み外して,好き勝手なことをしてきており,とても菅野シューレと胸をはることなどできませんし,先生の前にでると,ただただ小さくなるばかりでしたが,それでもこれまで叱られることもなく,それに甘えてきました。このように好きなようにさせてもらえたことに感謝なのですが,それだけでなく,学部時代に先生があの一言を発されたときに,その場に私がいたことが,いまの私のすべてを決定づけたのであり,そのことの幸運を感じざるを得ません。その意味で,先生の存在そのものが,私の感謝の対象なのです。今回集まった先輩方にはすでに定年を迎えられたり,もうすぐ定年という方もおられましたが,私もそれに近い状況になってきています。研究生活を終えるまえに,先生にこれまで有り難うございましたという感謝の気持ちを直接お伝えできたことにほっとすると同時に,もったいないことに,先生から暖かい言葉までかけていただき,これ以上にない幸福な気持ちになりました。ほんとうに参加してよかったです。

2023年3月24日 (金)

シンポジウム

 今日は,神戸大学の社会システムイノベーションセンターで,「労働プラットフォーム」をテーマとしたシンポジウムをオンラインで開催しました。社会システムイノベーションセンターのプロジェクト(「文理融合型アプローチによる法経連携法政策学研究」)の一環で,何か労働関係でテーマはないかということで相談されたところ,年度末ぎりぎりですが,今回のシンポジウムを提案して,開催することができました。聴衆の皆さんには感謝申し上げます。またプロジェクトのメンバーの先生方に加え,ゲストとして登場してくださった柳川範之先生と中田邦博先生には心より感謝申し上げます。中田先生はドイツからの参加でした。また神戸大学の卓越教授の肩書きをおもちの善如悠介先生はオーストラリアからの参加でした。国外からの参加者は時差があって大変だったかもしれませんが,国内のどこかの部屋から接続されているのと同じような感じで議論ができました。オンラインで海外とつないだシンポジウムは初めてだったのですが,こういうことであれば,ほんとうにいちいち海外に行く必要はないなということを,改めて確認できました。
 内容のほうは,ここでは紹介できないくらい盛りだくさんです。経済学の人が,デジタル労働プラットフォームについてどう議論をするのか知りたかったので,非常に刺激を受けました。また中田先生には消費者保護の観点から議論してくださり,私とは見解が合わないところも所々ありましたが,でもとても勉強になりました。今回のシンポをきっかけに,いっそうインターディシプリンな研究を深めて,政策提言につなげていければと思っています。

2023年2月 7日 (火)

労使関係セミナーで講演

 滋賀県労働委員会と中央労働委員会の共催の「労使関係セミナーin滋賀」で講演しました。小嶌典明先生と私が講師です。小嶌先生は現地で講演し,私はリモートでやりました。事務方には伝えていませんでしたが,講演前に実はちょっとしたハプニングがありました。私の住んでいるところが,昨日から工事があり,ときどき大きな音が鳴ることがあったので,これは自宅では講演は難しいと思い,急遽,大学の研究室でやることにしました。研究室のパソコンは古くて最近はほとんど使っていないので,使い慣れているノートPCを持ち込みました。しかし,研究室はWI-FI環境が貧弱で(どうにかしてほしい!),なんとかつながることはつながるのですが,心配でしたので,有線LANにしました。ところが,持ち込んだのがMACノートであったのがまずかったのか,「自己割り当てIPアドレスが設定されているためインターネットに接続されません」というエラーメッセージがでてしまい,短時間で解決する自信がなかったので,最終的には,大学の事務の方にお願いして,Wi-Fi環境のよい会議室を借りて事なきを得ました。昨年のNHKの収録に続いて,事務の方にお世話になりました。日頃,使っていない環境で接続するのは危険です。
 ところで今日のテーマは,労働力人口減少時代が統一テーマで,小嶌先生は統計的な分析をされて話され,私はいつものようにデジタルの話に結びつけて(労働力人口減少は,デジタル技術で乗り切れということです),社会の変化やこれからの課題について話しました。これまでよく使っていたスライドを混ぜて活用したので,長大な資料になってしまい,最後は時間がなく駆け足になりました。
 ところで今日は実は,八田達夫先生らが立ち上げた制度・規制改革学会の設立総会に重なっていました。私も発起人の一人になっていたのですが,欠席せざるを得ませんでした。今日の講演は,1年ほど前から予定が抑えられていたのです。実は小嶌先生も発起人に名を連ねておられたので,欠席だったと思います。小嶌先生と私がいっしょに報告するようなことは,おそらく初めてのことですし,また学会のほうは,小嶌先生は八代先生つながりで,私は八田先生つながりで声がかかったのでしょうが,これも偶然です。しかも労働委員会関連のセミナーと制度・規制改革学会の設立総会という,まったく毛色の違うものに二人とも重なっていたとは! 学会のほうは,今後,どのような活動をしていくのか,まだよくわかりませんが,実行力という点では並外れたパワーのある八田先生がいるので注目です。