走れコウタロー
山本コウタローさんが亡くなりました。まだ73歳という若さで,残念です。フォークソングファンであった私ですが,とくに彼のファンというわけではなかったのですが,吉田拓郎をテーマにした卒業論文(一橋大学)を書いているということを知って気にはなっていました(その後,本として刊行されています)。しかし,そういうことを知るよりも前に,すでに彼もメンバーであったソルティ・シュガーというグループの「走れコウタロー」という曲で,その名は知っていました。当時(1970年)は,大人も子どももみんな口ずさんだ曲です。メンバーの名前が歌のタイトルや歌詞に入っているのも変わっていましたけど,当時の美濃部都知事のモノマネを入れたり,競馬の架空の実況中継を入れたり,小さいころには意味がよくわかりませんでしたが,とても面白いです。パロディ精神にあふれる若者の勢いが感じられ,1970年代の香りがします。その後は,「岬めぐり」という,これまた誰もが知っている「普通の」名曲があります。ギターの練習曲に最適でした。山本コウタローが亡くなり,吉田拓郎は引退ということで,寂しいですね。
ところで,いまの若い人は知らないでしょうが,私たちの世代は,ほぼ例外なく,子どものときは,毎朝,ピンポンパンを見ていました。いまでもピンポンパン体操は,踊れるかどうかはともかく,歌詞はすぐに口ずさむことができます。この歌詞は,子ども番組とは思えないほど,パロディだらけのハチャメチャなのですが,ある意味では傑作です。作詞は,あの阿久悠で,作曲は小林亜星でした。当時のお茶の間で大人気であったドリフターズの「ズンドコ節」を思わせる出だしも,耳に残ります(ドリフのズンドコ節も大ヒットして,私もよく歌っていました。ちなみに,氷川きよしは,その後,全く異なるズンドコ節をリリースしていますね)。
その歌詞のなかに,「走れキンタロー」というのが出てきます。ソルティ・シュガーの歌のコウタローは馬でしたが,こちらはおそらく下痢かなにかでトイレに駆け込む人間という設定になっています。「ワニのおよめさんは水虫で困る」という歌詞もあって,子どものときにも大声で面白がって歌っていました。
これをNHKの「おかあさんといっしょ」の歌に採り入れてもらうことは無理でしょう(もともとNHKの番組ではできないような歌を作ったということですから)が,どこかの番組で体操つきで復活させてもらいたいですね。子どもたちは絶対に飛びつくと思いますよ。「走れコウタロー」も歌詞を変えて,踊りもつけて,子どもたちに歌って欲しいですね。この曲もリズミカルで子どもたちが喜ぶでしょう。