テレワーク

2022年7月27日 (水)

前期の授業終了

 今日で前期の授業が終わりました。あとは期末試験だけとなりました。今日やったのは明日の授業分のオンデマンド動画の収録ですが,とにかく終わってよかったです。今学期も,私の場合は完全リモートであり, LSではリアルタイム型,学部はオンデマンド型と異なるタイプのリモート授業をやりました。いろいろ失敗もあったのですが,一つひとつ乗り越えてきたと思っています。LSはソクラティックメソッドなので,私が何か話をするのではなく,事前に出している質問に対する答えを受けて授業を展開するというスタイルでした。そのため,リモートであることのデメリットは私にはあまり感じられず,むしろ教室でやっていたらマスク越しで話して聞きづらいとか,議論をしづらいということが起こりそうでした。それに,私はソクラティックメソッドといいながら,かなり話をしてしまうのですが,マスク越しだと,すぐに苦しくなるので,そうたくさん話をすることもできなくなり,授業の内容も変わっていたことでしょう。対面型でやるときはマスク着用というのであれば,私には今学期のようなオンライン授業でやるという選択肢もなければ困ります。
 学部のオンデマンド授業は,できるだけ学生が目の前にいるつもりで話をしました。最初は言い間違えたら,もう一回収録し直すなんてこともしていましたが,実際の授業では,言い間違えに気づいたら,その場で訂正して進んでいくので,オンデマンドであっても同じようにすることにしました。間違って喋った部分が残ってしまうのがイヤだという感じもあったのですが,そういう「潔癖主義」は捨てました。
 今週月曜日は,一般社団法人経営研究所の「人事部門責任者フォーラム」に呼んでいただき,講演をしました。「アフターコロナ後の働き方と法」というテーマですが,未来志向の私の労働法の世界をお話したつもりです。充実したコメントをいただき,私も勉強になりました。この講演は,私も参加者も全員リモートということで,最近は,この講演スタイルばかりです。この講演は夜開催でしたが,現在は,夜開催のものは体力に自信がないので,新たな依頼はお断りしています。
 8月には経済同友会の「規制・競争政策委員会」での講演を予定しており,さらに915日には,佐藤博樹さんがナビゲータをされるウェビナーで,テレワークのことを話す予定です(どちらもリモートです)。前者は会員限定ですが,後者は,参加は無料ですので,もし関心がある方は,こちらをみてください。
   こんな感じで,テレワークを実践しています。コロナの感染状況が急速に悪化するなかで,安心して仕事ができるので助かっています。

2022年7月11日 (月)

兵庫にも第7波?

 参議院選挙で自民党が大勝したことにより,今日の日経平均株価は大きく上がりました。景気対策への期待から,ということでしょうかね。岸田首相は,選挙がない黄金の3年間を手に入れたのであり,これには期待と不安が相半ばですが,これまでの実績からは,私には不安のほうがちょっと大きいです。参議院選挙後にやると先延ばしにしていたいろんな政策が,どのように実行されていくか注目です。
 当面は,コロナの第7波に向けた対策に全力で取り組んでもらいたいです。兵庫県も,斎藤知事は,第7派宣言はしていないようですが,危機感を示しています。町にでると,今月に入り,マスクをしない人が目立つにようになってきました。私も,外出時に,周りに誰もいなければマスクはしませんが,マスクをしている人が近づいてくれば,エチケットとして自分もつけますし,マスクをしていない人が近づいてくれば,予防のためにマスクをつけます。ということで,どっちにしても,あごにかけているマスクを,人が近づいてくれば鼻にまで引き上げています(マスクのおかげで,にんにくやニラを遠慮なく食べられるのは,よいことですね)。
 リモート会議に参加していると,現場にいる人はマスクをしていることが多いです。マスクをしていないリモート参加者どうしは,顔の表情がよくみえて,普通の会議となるのですが,現場の人はマスク越しで話し,表情もよくみえないので,なんとなく議論がしづらいです。私はマスクをして話すとすぐに苦しくなるので,マスクをずっとしていなければならない場には行かないようにしています。そのため,リモート会議しか参加していません。
 現在,企業も,テレワークを止めるところ,継続するところ,さらにこれに固定するところに分かれてきました。予想できたことではありますが,いつも述べているように,最後に残るのは,テレワークに対応したところでしょう。大半の会議はリモートでできるはずなのです。それでも,出勤を促すのは,対面のコミュニケーションは新しいアイデアを生みやすいというメリットがあるからだと,よく言われます。たしかに他人の話を聞くと,勉強になることは多いです。ただそれがリモートで,できないわけではないでしょう。むしろ,アイデアのわくところとは,「馬上・枕上・厠上」の「三上」であるという言葉もあります。現在では馬上はちょっと違うでしょうが,電車やバスに乗って外をみているとアイデアが湧くことがよくあります。「厠」はアイデアよりも,情報収集の場所ですね。アイデアという点では,むしろ個人のリラックスした環境が大事な気がします。コミュニケーションは情報収集の方法であり,それならリモートでもOKだと思います。
 まあ,対面とテレワークそれぞれのメリットがあるのでしょう。テレワークをするかどうか個人の選択に任せるという企業もあり,労働者としても,それが一番良いと思います。場所主権という考え方からも,在宅か出勤かの二者択一でないほうがよいです。とくに介護や育児などの家族的な負担のない人は,在宅やリモートを好きなように選択して働けたほうがよいのかもしれません。ただ,いったん家族的な負担がかかってくると,テレワークの有り難さが身にしみたものとなるでしょう。
 高校時代の3人の友人と定期的にやってきた飲み会は,20202月を最後にストップしています。少人数なのでやってもよいのかもしれませんが,でもいまのコロナの状況を考えれば,とても実施する気にはなれません。私は感染しても重篤化はしないでしょうが,他人に感染させないように行動制限がかかること自体が困ったことになります。一定の年齢になって,いろいろ社会的責任や家族的責任を担うようになると,窮屈ではありますが,できるかぎり自制せざるを得ないのです。コロナも早く治療薬が普及して,インフル並みになってほしいものです。

2022年6月25日 (土)

ムーブレス・ワークの時代

 先日,NTTが,在宅勤務が原則で,出社は出張扱いとするという制度を導入したことにふれましたが,622日の日本経済新聞では,「アクセンチュア,社員の居住地を自由に 在宅勤務を前提」,さらに少し前の同月3日には,「DeNA,社員の居住地自由に 働き方多様化で人材獲得」という記事もあり,いよいよ「ムーブレス・ワーク」(拙著『デジタル変革後の「労働」と「法」』(2020年,日本法令)216頁以下)の時代が到来しようとしているのかもしれません。
 拙著『労働法で企業に革新を』(商事法務)では,後半はDXのインパクトに関するストーリーが展開しますが,127頁あたりに,主要な登場人物の一人である深池が,完全テレワークを導入したので,母親のいる実家の西宮市に転居したいと申出をするシーンが出てきます。同書では,人々が好きなところに住んでテレワークするという「ムーブレス・ワーク」の世界を描いていたのですが,現実も段々そうなりつつあります。
 私の予想よりも現実の進行は遅いのですが,それは「出社派」と「在宅派」が拮抗しているからでしょう。個々の企業で,「出社派」と「在宅派」が覇権をめぐって争っているのかもしれません。どちらも許容するというハイブリッド型は難しいので,原則「出社」で特別な理由があるときは「在宅OK」という「原則出社派」企業と,逆に原則「在宅」で特別な理由があるときだけ出社してよい(交通費はそのときだけ支払う)という「原則在宅派」企業に二分されていくのでしょうね。ただ,DX時代において,付加価値の大きい創造的な仕事をするのは「出社」する従業員と「在宅」の従業員のなかのどちらに多いでしょうか。私は「在宅」だと思います。いまは両者は拮抗していますが,そのうちたちまち「在宅」一色になるのではないかと予想しています。中小企業も,費用の問題はあっても,「原則在宅派」に変わらなければ,人材が集まらなくなります。いまから準備しておいたほうがよいでしょう。 

 

2022年6月20日 (月)

NTTのテレワーク推進に拍手

 経団連が「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を改訂して,対策をやや緩めたようです。感染状況やウイルスの危険性に関する医学的知見の蓄積に応じて,適宜,改訂するのは必要なことです。一方で,改訂版では,「感染拡大期においては,テレワーク(在宅やサテライトオフィスでの勤務),時差通勤,ローテーション勤務(就労日や時間帯を複数に分けた勤務),変形労働時間制,週休3日制など,様々な勤務形態や通勤方法の検討を通じ,公共交通機関の混雑緩和を図る。」となっていますが,これらは感染拡大期に限る必要がないというのが私の立場です。
 おそらく経済界は,仕事にかぎらず,なんとか人に移動してもらいたいので,移動に抑制的な内容はできるだけ避けたいということなのでしょう。私は,人々が移動しなくても働けるようにし,移動するのは仕事以外のプライベートな場面に限定されるというような社会が実現しなければならないと考えており,仕事のために移動させられるのは,ちょっと過激に「人権侵害だ」(私は「場所主権」と呼んでいます)と言ったりしています。
 そういうなか,昨日の日本経済新聞に,「NTT,居住地は全国自由に 国内3万人を原則テレワーク―居住地は全国自由に 出社は出張扱い,飛行機も容認」という記事が出ていました。NTTはその前身の電電公社の時代から,労働事件の多い企業という印象がありますが,従業員に場所主権に配慮した勤務スタイルをほんとうに実現していくのであれば,これは一挙に労働面でも優良企業のトップランナーに躍り出るのではないかと思います。たしかに,業種的には,ICTの活用は得意分野でしょう。自らが率先してICTを活用した働き方を実践することにより,他企業に自分たちの提供するサービスを活用してもらえればという狙いもあるのかもしれません。ただ,同紙の別の記事で,「NTT,人材確保に危機感」とあったように,この業界では人材難であり,優秀な人材確保のためには,事業所に出てこいというような働き方では,もはやダメだということでもあります。これは来たるべきDX社会での働き方を先取りしたものでもあります。
 「やっぱり仕事って,みんなで集まってわいわいやるのが最高ね」という人もいるかもしれません。そう言える働き方ができている人は幸せだと思います。ただ,ひょっとすると,それは,知らぬ間に仕事に私生活が乗っ取られ,洗脳されているだけかもしれません。ぜひ拙著の『誰のためのテレワーク?―近未来社会の働き方と法』(明石書店)(とくにその最後に書いている「呪縛からの解放」というところ)を読んでもらえればと思います。

 

2022年5月20日 (金)

やっぱりオンライン

 昨日は,「ビジネス+IT WEBセミナー」に登場しました。テーマは,「なぜいまテレワークなのか~その将来性と課題~」というもので,私は事前収録した動画の配信という形での参加です。拙著『誰のためのテレワーク?―近未来社会の働き方と法』(明石書店)のエッセンスを40分の講演にまとめました。大学でのオンデマンド型の授業も,同様の事前収録で,最近ではこのパターンにも慣れてきました。録画されているので,最初のころからは,ちょっとでもミスをすれば撮り直したくなるのですが,徐々に言い間違えや救急車の音が入ってきたりなどのことは気にならなくなりました。撮り直しができるというのは危険なことで,A型人間ならなかなか完了しないかもしれませんが,私はそうではないので,踏ん切りを付けることができるようになってきました(途中で声が枯れてあまりにも聞き苦しくなったときは撮り直したことはありましたが)。
 ところで,現時点でのテレワークの普及度はよくわかりませんが,出勤しない働き方は着実に増えていると思います。とくに学校でのオンライン授業がなんだかんだ言って少しずつ広がっており,そのメリットを実感している学生も増えているはずです。今朝のNHKの朝のニュースでは,北海道の地方の高校で,専門の教師がいない科目を,オンライン授業で補っているという話が紹介されていました。実家から離れず,自然豊かなところで,高度な勉強もできるというのは,まさに良いとこ取りであり,ICTの活用により,そういうことが可能となっているのです。今後は種々の教育コンテンツが,ネット配信されるようになり,自分の関心次第で,場所と時間に関係なく学習できるようになるでしょう。
 こういう学生が増えてくれば,企業だって,仕事のために特定の場所に集合させるという発想が時代後れとなる可能性があるのです。テレワークの将来性というのは,様々な点から根拠付けることができますが,オンライン慣れして,そのメリットを実感した「移動しない優秀人材」(正確には,自分の好きなところに住んだり,観光したりするためには移動するが,仕事のためという理由では移動しない人たち)に合わせた就業環境を用意する必要性からも,テレワークへの移行が進むと予想できます。