Digital divide
昨日の続きですが,耳鼻科の待合室にいると,70代半ばくらいの女性が,「予約はできるのでしょうか」と受付の人にたずねていました。私よりも先に来て待っていたようですが,後から来た人が先に呼ばれていくことに疑問をもったようです。受付の人は「できます」と答えて,オンラインで予約されている方がいて,順番どおりにお呼びしています,と丁寧に答えていました。その女性は「電話で予約できますか」とたずねたところ,「予約はオンラインだけです」との答えで,「私はそういうのができないので……」という言葉に,受付の人は申し訳なさそうでしたが,どうしようもありません。
予約は電話でも受け付ければよさそうなものですが,そういうことをすると,ややこしくなるのでしょうね。そうなると,スマホをもたず,ネットで予約ができない人は不便になります。これもデジタル・デバイドの一つでしょうが,こういう方に合わせてアナログ的なものを残していこうという議論になっては困ります。ここは行政の出番だと思うのですが,なにか手はないでしょうか。
一方,当のクリニックも,受付後に,紙と鉛筆を渡されて住所や年齢などを書かされました(鉛筆というのが,なんとも言えないのですが,小学生になったような気分でした)。前にも別のクリニックに関して同じような不満を書いたことがあるのですが,オンラインで入力したものを,また鉛筆で手書きしろというのは,なんという無駄なことでしょうか。そして,この紙と鉛筆は,診療後に薬局に行ったときにもありました。初めての薬局に行ってしまったのが失敗でした。家の近所で以前に行ったことがあるところだったら,不要だったのでしょうが。
クリニックの支払いは現金かもしれないと思い,そのためにわざわざ銀行で引き落として行ったのですが,やっぱり現金のみでした。現金は日常生活では使わないので,このためだけに引き落とさざるをえないのです。便利なところにATMがない時代がくると,現金払いというのは,とんでもなく迷惑なことになります。薬局は,クレジットカードが使えましたし,電子マネーもOKです。クリニックでは近所にあるその薬局を推奨してきたことからすると,両者は提携しているのでしょうから,支払い方法も提携してもらいたいものです。
アナログとデジタルが混在していて,非効率だなと思う反面,アナログ以外無理という人たちもいて,難しいですね。行政の出番と言ってみたものの,デジタル庁は,マイナンバー問題からもわかるように,あまり頼りにならないようで,いったいこの国はどうなるのでしょうかね。このままでは,そう遠くない未来に,デジタル後進国に転落してしまうでしょう。そういえば,手帳をかかげて「聞く力」を自慢した首相が登場したことが,凶兆だったのかもしれません(森保ノート,栗山ノート……。もう十分です)。