献本御礼
10月に入り,ようやく冷房をつけなくても過ごせるようになってきました。明日からLS以外の授業も始まるので,体調に気をつけて頑張っていきたいと思います。
ちょうど学期が始まるタイミングということでしょうか,水町勇一郎さんから『詳解労働法(第3版)』(東大出版会)をいただきました。いつも,どうもありがとうございます。授業に備えて,最近の動向も勉強をしておかなければならないので,この本を参考にさせてもらいます。早くも3版ですね。ひょっとしたら,菅野労働法にとってかわるかもしれないというくらいの勢いを感じます。水町労働法がこれから権威を得ていくのでしょうね。これが時代の流れというものでしょう。驚いたのは,ビジネスガイドの最新号の表紙をめくると,いきなり水町さんの写真が出てきて,この本を教材にして,日本法令で実施される水町ゼミの宣伝が出ていました。応募者が殺到することでしょう。LSの学生のほうは,水町さんの有斐閣のほうの労働法を読んでいる人が多いようであり,どちらにしても労働法の世界をがっちりつかんでいますね。知らぬ間に,実務も教育も水町一色になっていたというのでは,学界の発展のためには,ちょっとまずいのですが,対抗勢力のパワー不足という日本の労働法学の現状が,こういう状況を生み出しているのかもしれませんね。
もう1冊,水町勇一郎・緒方桂子編の『事例演習労働法(第4版)』(有斐閣)もいただきました。こちらも,どうもありがとうございました。私が編者をした,弘文堂の『労働法演習ノート』は,事例をたっぷり読ませるというスタイルのものですが,本書はそれとは違い,事例がコンパクトになっています。昔はこういうスタイルの演習本がたくさんあったような気がしますが,いまはあまり見かけないですね(私が知らないだけかもしれませんが)。4版が出るということは,読者のニーズも高いのでしょう。たしかに設問のケースをざっとながめているだけで,現在の労働法の主要な問題が把握できるような気がします。期末試験の問題を考えるときに,参考にさせてもらえればと思います。