将棋

2022年11月27日 (日)

羽生・藤井の夢のタイトル戦が実現

 王将戦挑戦者決定リーグは,羽生善治九段が,豊島将之九段に勝ち,なんと全勝で藤井聡太王将(五冠)への挑戦を決めました。これは驚きです。現在の新旧のトップ棋士が勢揃いしたリーグでも,なお羽生九段は負けていないというところを見せてくれました。王将戦のタイトル戦は二日制ですので,羽生九段にとっては,自身の最年少記録を次々と塗り替えていく藤井王将との渾身の戦いが繰り広げられることでしょう。
 竜王戦のほうは,広瀬章人八段がふんばって2勝目をあげて,対藤井戦の連敗を止めました。藤井竜王(五冠)からみて,32敗となりました。次に広瀬八段が勝てば,最終局は面白くなりますが,そこまでもちこめるでしょうか。
 女流棋戦は,里見・西山の戦いが続きますが,倉敷藤花は里見香奈女流五冠が2連勝で防衛(8連覇)となりました。女流名人戦は,直接対決で西山朋佳女流二冠が勝ち,伊藤沙恵女流名人への挑戦をするのは西山女流二冠となりました。
 里見さんに続くプロ棋士編入試験も始まります。小山怜央アマの挑戦です。奨励会経験がない初のプロ棋士が誕生するかが話題になっています。対戦相手は,里見さんのときと同じ若手棋士5人であり,難敵ぞろいです。里見さんの挑戦が話題になりすぎましたが,小山さんの挑戦も注目されます。

2022年11月17日 (木)

棋戦情報

 藤井聡太竜王(五冠)は,挑戦者の広瀬章人八段に勝ち,1敗後,3連勝で,防衛まであと1勝となりました。A級順位戦でも,藤井竜王は広瀬八段に勝って,豊島将之九段と並んで4勝1敗でトップを走ります。竜王・名人に向けての期待が高まります。広瀬八段は,藤井竜王相手に完敗続きで、竜王復位も名人戦挑戦も厳しくなりました。
 王将戦は,羽生善治九段が5連勝で,プレーオフ以上の進出を確定させました。豊島九段は4勝1敗で追っており,次の羽生戦に勝てば5勝1敗となり,引き続き羽生九段とプレーオフで戦います。羽生九段が勝てば藤井王将(五冠)への挑戦が決まります。リーグでは,渡辺明名人(二冠)が1勝5敗と不調で,早々にリーグ陥落が決まりました。これは意外な結果です。若手の服部慎一郎五段も陥落が決まっており,あとは2勝3敗で並ぶ糸谷哲郎八段と近藤誠也七段の最終局で負けたほうが陥落となります。永瀬拓矢王座は残留を決めています。
 羽生九段は,棋王戦では決勝まで勝ち上がっていましたが,あのマスク事件の佐藤天彦九段に敗れました。棋王戦はベスト4以上は変わったシステムで,準決勝や決勝で1回負けても敗者復活があります。そこからは2敗したところで敗退というシステムです。佐藤九段は挑戦者決定戦に進出を決め,あと1勝すれば(2連敗しなければ)渡辺棋王(名人)への挑戦が決まります。佐藤九段に準決勝で負けていた藤井竜王(五冠)は,同じく準決勝で羽生九段に敗れていた伊藤匠五段と戦い,その勝者が挑戦者決定戦への進出をかけて羽生九段と戦うことになります。藤井竜王と伊藤五段は挑戦権を得るためには4連勝が,羽生九段は3連勝が求められますが,いったん負けてもまだ可能性が残っているのが,この棋戦の特徴です。準決勝で敗れたあと,4連勝して挑戦権を得た棋士は数名いますが,タイトル奪取までしたのは,2002年の丸山忠久九段だけです。藤井竜王は20年ぶりの準決勝敗退後のタイトル奪取者になるでしょうか。

2022年11月 2日 (水)

竜王戦

 例のマスク反則負けをした佐藤天彦九段は,不服申立てをしたようですね。どういう判断を常務会が下すでしょうか。
 その間に竜王戦の第3局が行われました。途中まで挑戦者の広瀬章人八段が好調に攻めていて,飛車銀両取りの角打ちが決まったかと思ったのですが,そこから藤井竜王の飛車切りがあり,あっというまに広瀬玉は寄ってしまいました。すごい切れ味でしたね。これで藤井竜王は21敗となりました。
 王将戦の挑戦者決定リーグでは,なんと羽生善治九段が,渡辺明名人(二冠)や永瀬拓矢王座のタイトルホルダーを破って5連勝で,プレーオフ進出を確定させました。これで藤井王将に羽生九段が挑んで通算100期のタイトルをめざすという夢のカードの実現に近づきました。羽生九段は棋王戦のベスト4にも残っていて,決勝で藤井聡太竜王(五冠)と対戦する可能性があります。B級1組の順位戦は苦戦していますが,他の棋戦では好調です。
 女流棋戦は,里見香奈女流五冠が,西山朋佳女流二冠から白玲のタイトルをとって六冠になったのですが,すぐに女流王将を西山さんが奪取し二冠に戻りました。その二人が今度は倉敷藤花でもタイトル戦を戦っています。里見さんに西山さんが挑戦です。初戦は里見倉敷藤花の勝ちでした。女流はずっとこの二人でタイトル戦をやっている感じです。残りのタイトルは,女流名人を伊藤沙恵がもっていますが,現在,リーグ戦が最終盤に入っており,里見さんと西山さんが61敗でトップを併走しています。次局で二人が対戦するので勝った方が挑戦者になる可能性が高いです。里見・西山のライバル対決はしばらく続くでしょう。

2022年10月29日 (土)

佐藤天彦九段の反則負けについて

 昨日のA級順位戦の佐藤天彦九段と永瀬拓矢王座の対局は,途中までスマホでときどきフォローしていたのですが,結果を知る前に寝てしまいました。朝起きたとき,思わぬ結果になっていました。永瀬王座の勝ち。私が寝るまでは佐藤九段が優勢だったので,その後,逆転があったのかと思ったのですが,よく確認すると佐藤九段の反則負けとなっています。二歩か,二度指しかと思ったら,なんとマスク不着用。そんな反則負けがあるのかと思って調べていたら,今年1月にできた新ルールでした。対局中は,健康上やむを得ない理由があり,事前に届出をして承認を得ている場合以外は,お茶を飲むなどのために一時的にはずす場合を除き,着用義務があり,それに反したときは反則負けになると明記されていました。ここまで明確なルールだと,佐藤九段の負けは仕方がないなという気もします。永瀬王座は,佐藤九段がマスクを外していることを気にしていたようです。あれだけ近い距離でいるので,言葉を発するわけではありませんが,気になる人は気になるでしょうし,もし私が同じ立場なら気にするでしょう。感染すれば,その後の対局に影響します。人一倍健康に気を付けている人であれば,いっそう相手の無神経さが気になるでしょう。
 昔は対局中にタバコを吸う人もいて,嫌煙家でも我慢せざるを得ないことがあったと思いますが,いまはそういう時代ではありませんし,何と言ってもマスク着用については明文のルールがあります。
 もっとも,ファウル一発レッドカードというのは,やや厳しすぎる気もします。佐藤九段のマスク外しは結局1時間くらいに及んでいたようです(未確認)が,早い段階でイエローカードを出して置くべきであったという気もします。これまでの同様のケースでほんとうに「一発退場」のような扱いになっていたのかも気になります。
 A級順位戦の対局は,名人挑戦者を決めるもので,将棋界ではタイトル戦に次ぐ重要な意味をもつものです。佐藤九段は名人3期の実力者です。あと2期名人位をとると,永世名人資格もとれる立場の人です。藤井聡太時代が来る前に名人復位をかなえておきたいと思うならば,いまがラストチャンスともいえます。一方で,永瀬王座もA2期目で,当然,名人挑戦はねらっていることでしょう。今期は二人ともここまで12敗とやや苦しいスタートでした。
 この対局では,反則かどうかの判定をする役割をはたす立会人がおらず,判定が遅れてしまったようです。将棋の本質と異なる要請からくる反則行為でA級順位戦の対局が負けとなるのは,将棋ファンとしてはがっかりです。どうも永瀬王座は早い段階からクレームをしていたようで,そのときに迅速に対応して,佐藤九段にマスク着用を要請する手続を一本踏んでおけば問題はなかったのです。佐藤九段が不服申立てをすれば,日本将棋連盟の常務会で判断することになるようです。ルール上は,「一発退場」も可というものですが,こういう重大な結果が生じる場合には,事後判断としては,このルールによって守ろうとしている利益,また今回の永瀬王座が受けた不利益(目の前の相手がマスク不着用であることが気になることからくる集中力の低下などのダメージ),そして佐藤九段のマスク不着用の理由や反則負けとなることにともなう不利益を総合的に考えて判定の妥当性を評価するというのが,労働法的な発想といえるかもしれません。かりに佐藤九段を救済するとなると,たとえば佐藤九段がマスクを外した時点に戻して,対局を再開する(その代わり,残り時間を永瀬王座に1時間程度追加する)ということもありえますが,すでにAIなどで棋譜の分析はされてしまっているでしょうから,この方法はとりにくいかもしれませんね。
 いずれにせよ,マスク着用は,制裁の威嚇により遵守させるのではなく,こうした反則が起きないような態勢をきちんとつくって遵守させることこそ必要なのです。つまり,新しいルールについては,棋士の規範意識に十分に浸透するまでは,違反に対する制裁よりも,遵守の促進に力をいれるべきでしょう。そういう観点からは,対局には立会人あるいは代行者が常駐して,マスク着用違反があったら警告するという形にし(それが難しければ,対局会場にカメラを設置して,連盟の責任者がリモートでチェックし,何かあればすぐにビデオを再生して対応できるようにするなども考えるべきでしょう),それでも違反した場合には反則負けという運用をすることが望ましいと思います。佐藤九段は問題提起のためにも,不服申立てをしたほうがよいです。

2022年10月14日 (金)

3連敗

 矢野監督のラストゲームは,ちょっと残念な試合になりました。ヤクルトは3連勝(阪神は3連敗)して,王者にふさわしい勝ち方をしてくれました。ひょっとしたらという希望もありましたし,今回の試合をみても勝てない相手ではなかったのですが,最後はヤクルトの執念が上回った感じです。今日のヤクルトの逆転は,村上がボテボテのピッチャーゴロでも必死に走って生み出しました。三冠王のこの姿勢に,脱帽です。ヤクルトこそ日本シリーズに出場するにふさわしいチームです。阪神は,来季は岡田監督に託すことになります。彼は阪神の監督の難しさは経験済みです。コーチ陣を一新して,ぜひ選手にカツをいれてもらいたいですね。
 話は変わって将棋の里見香奈女流五冠の挑戦も3連敗で終わってしまいました。プロ棋士になる道は厳しかったです。対戦相手の棋士の強さを見せつけられた感じでした。これまで資格を得て挑戦した人のなかでは,初めての不合格となりました。女流のプロ棋士の誕生はいつになるでしょうか。里見さんには再挑戦してもらいたいですね(再挑戦が可能かどうかは知りませんが)。男性のアマの小山怜央さんも,編入試験の資格を得ており,同時並行になりそうでしたが,里見さんの不合格が先に決まってしまいました。力の落ちた男性棋士がアマチュアや女流棋士に負けて勝率要件で決まる受験資格を与えたところを,若手棋士が試験で阻止したという構図にもみえます。熾烈な三段リーグを突破したばかりの若手四段を対戦相手にするのは,受験者にはきついでしょうが,三段リーグを通らないルートですのでやむを得ないですし,公平な扱いだと思います。

2022年10月 8日 (土)

竜王戦始まる

 竜王戦が始まりました。藤井聡太竜王(五冠)に,広瀬章人八段(元竜王)が挑戦します。第1戦は,広瀬八段が勝ちました。素人目にも面白い将棋でした。終盤で藤井竜王の飛車のタダ捨てが出現し,指した人が藤井竜王ですから,普通なら何かありそうで怖くなってもおかしくないのですが, 広瀬八段は15分くらいの考慮だけで冷静に対応しました。振り返れば,局面が苦しい藤井竜王の勝負手だったのですが,そこにいたるまでの広瀬八段のじわじたとした追い込みが見事でした。大方の予想は藤井防衛ですが,広瀬八段もこのタイトル戦には万全の準備で臨んでいるでしょうから,今後の展開が楽しみです。
 豊島将之九段が,永瀬拓矢王座に挑戦した王座戦は,結局,永瀬王座が初戦に負けたあと3連勝で防衛しました。粘り強い将棋で,4期目となります。永瀬王座という呼び方もすっかり定着した感じがします。どこまで防衛回数を伸ばすでしょうか。
 棋王位戦(タイトルホルダーは,渡辺棋王)は,ベスト4の最後の椅子をめざして,藤井五冠と豊島九段が戦います。すでに伊藤匠五段,羽生善治九段,佐藤天彦九段がベスト4進出を決めています。
 王将戦挑戦者決定リーグ(タイトルホルダーは藤井王将)は,前王将の渡辺明名人がまさかの2連敗スタートとなりました。対照的に,羽生九段は2連勝,また糸谷哲郎八段は2連敗というスタートです。全6局なので,まだこれからです。

2022年9月22日 (木)

里見さんピンチ

 今日は,里見香奈女流五冠の棋士編入試験の第2局目がありました。相手は,岡部怜央四段でしたが,たった1手の緩手をとがめられて敗れました。優勢になっていた展開のなか,相手の攻めに対して手厚く受けたつもりの2七金が悪手だったようです。将棋の厳しさを教えられた気がします。岡部四段も,里見さんの得意とする中飛車に対して,穴熊で守りを固めるなど必死の戦いでした。里見さんは他の棋戦でも調子を落としているので,少し心配です。女流棋戦では,西山朋佳女流二冠と白玲戦7番勝負を戦っているところですが,2連勝後,2連敗しています。棋士になるためには,あと3連勝するしかなく,かなり厳しいですが,可能性が残されている以上,調子を整えて頑張ってほしいですね。
 A級順位戦は3回戦がすべて終わり,2連勝していた稲葉陽八段が豊島将之九段に敗れて21敗になり,そのほかに斎藤慎太郎八段,豊島九段,広瀬章人八段,菅井竜也八段,藤井聡太竜王(五冠)が21敗で並んでいます。
 王将戦は挑戦者決定リーグが始まりました。いつも最強メンバーが集まるリーグですが,今年もそういう感じです。渡辺明名人,永瀬拓矢王座,羽生善治九段,近藤誠也七段(ここまでが残留者)と,予選通過してきた豊島九段,糸谷哲郎八段,服部慎一郎四段の7名で藤井聡太王将への挑戦をめざして戦います。すでに行われた羽生対服部戦は羽生勝ち,永瀬対糸谷は永瀬勝ちでスタートしています。昨年は糸谷八段ですら全敗で陥落したように(今期,予選を勝ち抜いて復帰したのはみごとです),厳しいリーグ戦ですが,今期は特にタイトル戦からすっかり遠ざかってしまった羽生九段がどこまでやれるか注目です。
 王座戦第2局は,千日手指し直しとなり,永瀬王座が,挑戦者の豊島九段を下しました。この二人の対局は長引くことが多いので,千日手となったと聞いても驚きませんね。

2022年9月11日 (日)

王位戦終わる

王位戦終わる

 王位戦は,藤井聡太王位(五冠)の防衛で終わりました。豊島将之九段は力を発揮できなかったですね。藤井竜王(五冠)に最も多く勝っているのが豊島九段ですが,最近では分が悪いです。昨年の竜王戦に続くストレート負けを逃れるのが精一杯でした。でも挽回の機会はあります。棋王戦の挑戦者決定トーナメントで,阿久津主税八段に勝ちベスト8に進出して,次に藤井竜王との対局となりました。豊島九段としては,何としても今年中にタイトルを一つはとりたいところでしょう。このままでは,来年にも前人未踏の藤井聡太八冠が実現してしまうかもしれず,それを阻止できる可能性が最も高いのは豊島九段です。豊島九段のタイトルの可能性は,棋王戦以外は,現在,永瀬拓矢王座と戦っている王座戦です。
 藤井竜王(五冠)は,竜王戦の防衛戦が始まります。広瀬章人八段との初戦まで時間はあるので,十分に準備できるでしょう。王位戦が予想より早く終わったことは,大きいかもしれません。今日もNHK杯で,唯一の年下棋士である伊藤匠五段に勝ちました。AIの評価値をみていなければ,最後はずいぶんと攻め込まれているようにみえましたが,余裕で余していたのでしょうね。
 順位戦は,A級で藤井聡太竜王(五冠)が1期で勝ち抜いて名人挑戦となるかが最大の注目点ですが,B級1組に陥落した羽生善治九段が一期でA級復帰するかも注目です。今期は好調だったので,期待はふくらんでいましたが,先日,三浦弘行九段に敗れて2勝2敗となり,少し厳しくなりました。順位は1位なので同星であれば頭ハネができるのですが,それでも3敗が限界でしょう。B級1組に昇級したばかりの中村太地七段が4連勝で飛ばしています。とはいえ13人の総当たり制なので,まだ先は長いです。千田翔太七段や佐々木勇気七段など,若手実力者も,そろそろ昇級をと思っているところでしょう。羽生九段をはじめ,丸山忠久九段や郷田真隆九段などのベテラン強豪もいる,まさに「鬼の住処」ですが,ベテランが勢いのある若手とどこまで張り合えるかですね(郷田九段は,先週のNHK杯では,若手の服部慎一郎四段に見事な逆転劇をみせてくれました)。
 A級に戻ると,第2局で藤井竜王(五冠)に勝った菅井竜也八段が,先日,永瀬王座も破り21敗となりました。難敵を破っていますので,今後の星の伸びが楽しみです。佐藤康光九段が3連敗で出遅れましたが,その他は混戦模様です。斎藤慎太郎八段は,次の藤井戦が,3年連続名人挑戦に向けた大きな一局となるでしょう。日本シリーズ(JT)では,斎藤八段は,渡辺明名人に勝ちました。2年連続,名人戦では完敗していますが,勝てない相手ではないのです。

 

2022年9月 1日 (木)

王座戦始まる

 将棋は王座のタイトル戦が始まりました。久しぶりに藤井聡太竜王(五冠)がいないタイトル戦です。永瀬拓矢王座に豊島将之九段が無冠返上を目指して挑み,初戦は豊島九段が快勝しました。終盤はAbemaで観戦していましたが,永瀬王座は勝ちがないのに,やや見苦しい抵抗をしていました。粘りが身上の棋士なのですが,アマチュアファン的には,あまり面白みのない将棋です。豊島九段は淡々と指す感じで対照的です。第2局は913日です。
 豊島九段は,王位戦でも挑戦者で,藤井王位に挑戦しています。コロナ陽性で延期となったあとの第4局で敗れ,後がなくなりました。この対局も,藤井王位の快勝でした。ここから3連勝でタイトルを奪取するのは難しいかもしれません。95日・6日に第5局が行われます。
 藤井竜王(五冠)は,棋王戦の挑戦者決定トーナメントで久保利明九段に勝ちベスト8に進出です。挑戦権を得て,渡辺明棋王(名人)からタイトルを奪取して六冠になるかが注目されています。次の対局は,豊島九段と阿久津主税八段の対局の勝者です。
 里見香奈女流五冠は,西山朋佳女王がタイトルをもっているマイナビ女子オープンの本戦の第1回戦で,脇田菜々子女流初段にまさかの敗戦となりました。ボクシングでいうとカウンターパンチを一発食ったというような衝撃の手(相手の歩の前に銀を打つという手)を指されてしまい,そのまま押し切られました。大本命の里見さんの敗退で,他の有力女流棋士はチャンス到来と思っているでしょう。
 里見さんは,西山朋佳女流二冠に挑戦している白玲戦の第1局では先勝していますが,若手棋士が参加する一般棋戦の加古川青流戦ではベスト8まで勝ち残っていましたが,斎藤優希三段に敗れてしまいました。忙しいスケジュールですが,棋士編入試験には,しっかり調子を上げて臨んでもらいたいものです。注目の第2局は,922日で,岡部怜央四段と対局します。

2022年8月19日 (金)

里見さん初戦は敗れる

 里見香奈女流五冠(先日のブログで女流四冠と書いていて失礼しました。83日に加藤桃子清麗から,タイトルを奪回して復位して,五冠に復帰していました)の編入試験の初戦は,徳田拳士四段の快勝でしたね。徳田拳士四段は現在9連勝中の絶好調の棋士で,さすがに相手が強すぎた感じです。里見さんの得意戦法は振り飛車(とくに中飛車)ですが,トッププロで振り飛車党は,あまりいません(A級では菅井竜也八段だけ)。広瀬章人八段や永瀬拓矢王座は,かつては振り飛車党でしたが,居飛車党に転向して,ぐんと成績を上げました。AIでも,振り飛車を採用しただけで,序盤の評価値は低くなります。しかし,里見さんは,この振り飛車で,大勝負を突破しようということであり,これからの奮闘に期待です。
 ところで,王位戦第4局は,豊島将之九段のコロナ感染で延期になったのですが,棋士は,感想戦以外は,互いにしゃべったりはしませんし,基本的にはマスクをずっと着用しているので,本人の体調が悪い場合はともかく,無症状であれば,とくに延期する必要がないのかなという気もしないではありません。ただタイトル戦は,その前日の前夜祭などの行事があるので,そういうことも考慮しなければならないのかもしれません。もっとも,対局場となっていたところ(一般にホテルや旅館が多いのですが)は,とくに2日制のタイトル戦(名人戦,王位戦,王将戦)でキャンセルとなると大きな穴があいてしまい,(キャンセル料は発生するかもしれませんが)困ることが多いでしょうね。
 ところで,将棋の対局の2日制というのは,プロ棋士からすると実力が発揮できるという点で望ましいのでしょうが,ネットで,ライブ中継される現在では,視聴者にはちょっと間延びしてしまうところもありますね。最終盤で接戦のときはスリリングですが,1日目などは手はほとんど進まないことが多く,解説者も無駄話が多くなります(その無駄話が好きなファンも多いのですが)。昨日の里見さんの対局のように持ち時間が3時間くらいが,Abemaで観戦するような場合にちょうどよいのでしょうね。私もずっと観ているわけにはいきませんが,休憩をとるときには横に置いているタブレットで観ています(最高裁の判例によると,休憩中ではなく,勤務中であれば,タブレットのチラ見でさえも職務専念義務違反と言われるのでしょうかね)。

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