スポーツ

2026年10月 3日 (土)

阪神,球団初のセ・リーグ連覇

 阪神タイガースの優勝が決まりました。今日の広島戦には4対6で敗れましたが,ナイトゲームで巨人がDeNAに敗れ,球団初のセ・リーグ連覇となりました(最後は,元阪神の浜地が巨人を抑えてくれました)。自分たちの勝利で決められなかったのは残念ですが,まずは,ほっとしました。
 ただ,今日の試合には,ひとこと言いたくなります。2回に先制されたものの,3回に坂本の10号ソロで追いつき,さらにサトテルの39号3ランで4対1となりました。優勝を決める試合で,主砲が勝ち越しのホームラン。しかも,投げているのは才木です。これで今日こそ決まる,と思ったのですが,そう簡単にはいきませんでした。才木はその裏,末包に同点3ランを浴びてしまいます。結局,3回7安打4失点で降板しました。3点のリードをもらった直後に,その3点をすべて吐き出してしまったのですから,今日の投球は情けないと言わざるをえません。優勝のかかった試合だからこそ,ここは踏ん張ってほしかったところです。3点差になったことで,少し楽勝ムードが出てしまったのかもしれません。見ている私には,一度緩んだ緊張感がその後も戻らなかったように感じられました。追いつかれたといっても,まだ同点です。そこからもう一度勝ちにいけばよいのですが,打線は4回以降,得点できず,8回に2点を勝ち越されて,そのまま敗れました。サトテルの一発でつかんだはずの流れを,最後まで取り戻せなかった試合でした。こんな試合をしていれば,ズルズルと負け続けて,優勝も逃しかねないなどと心配になる内容でした。
 もっとも,今日の一敗と,シーズン全体の評価とは,分けて考える必要があります。今季の阪神は,投打の両面で,優勝するだけの力をもったチームでした。昨日までの成績では,チーム打率の2割4分8厘,出塁率の3割1分9厘は,いずれもリーグトップです。チーム防御率も2.80で,巨人の2.79とほぼ並んでいます。投手力だけで何とかしのいだのでも,打線だけで押し切ったのでもなく,投打の総合力が優勝を支えたといってよいでしょう。
 とはいえ,その力を安定して発揮できたわけではありません。とくに9月の7連敗は,見ていてつらいものがありました。この7試合で挙げた得点は,合わせてわずか5点です。9月19日には,巨人とのゲーム差がついにゼロになりました。しかし,そこから20日以降の4連勝で持ち直しました。今季の優勝を評価するうえでは,苦しい時期があったことだけでなく,そこで崩れ切らず,もう一度勝てる状態に戻したことも,きちんと見ておくべきでしょう。
 また,大きかったのは巨人との直接対決です。今季の対戦成績は16勝8敗1分でした。8月には,東京ドームと甲子園で,それぞれ3連勝しています。追いかけてくる相手に直接勝って差をつけたことが,最後にものをいいました。優勝が決まった瞬間だけをみれば,巨人の敗戦を待つ形でしたが,そこまでの優位をつくったのは,阪神自身の戦いです。「他力で決まった」というだけでは,今季の優勝を正しく表したことにはならないでしょう。
 もちろん,優勝したからといって,すべてがよかったということにはなりません。交流戦では6勝12敗と負け越しましたし,今日のように,有利な展開に持ち込みながら勝ち切れない試合もありました。セ・リーグを制したことと,日本一になるために十分な状態にあることとは,別の話です。クライマックスシリーズは,とくにDeNAが出てくれば,簡単にはいかないような気がします。これからの短期決戦に向けて,まだ引き締めるべきところはあります。
 監督の采配や,個々の選手の今季の働きについては,回を改めて書きたいと思います。今日は,まず連覇を祝うことにしましょう。次は,ポストシーズンは,勝ってすっきりと喜ばせてもらいたいものです。

2026年9月29日 (火)

神戸ストークス

 神戸・三宮の南側,新港町にTOTTEIという新しいエリアができ,そこにGLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)が開業しています。新たな神戸の観光スポットとしても注目されているようです。そのGLION ARENAを本拠地とする神戸ストークスが,今シーズンから新たにスタートしたB.PREMIERに参入しました。その開幕カードが大阪エヴェッサとの2連戦です。神戸市民を対象とした無料招待があり,幸運にもチケットを入手できたので,26日の第1戦を観に行ってきました。
 プロのバスケットボールを会場で観戦するのは初めてです。バスケットボール自体には昔から親しんできましたが,プロの試合をアリーナで観るのは,テレビで見るのとはやはり違います。席は700レベルのNorth Wing。要するに一番上のほうです。さすがに選手の顔までは見えませんが,コート全体を見渡すことができ,ボールの動きはよくわかります。オフェンスやディフェンスの陣形を見るには,むしろ面白い席かもしれません。
 ただ,開始直前に到着したため,すでに照明が落とされていて,席を探すのには少し苦労しました。しかも上のほうは階段がかなり急です。暗いなかを上がっていくのは,ちょっと怖いものがありました。また,選手交代などのときに鳴るブザーの音がかなり大きく,これは私には少々不快でした。申し訳ないですが,DJの掛け声は,個人的にはもう少し少なくてもよいですね。
 ところで,当日は三宮駅からはシャトルバスが出ていました。大変な数の人で,乗るまでどれくらいかかるかと思いましたが,次々と神姫バスが運んでくれていて,15分くらいの待ち時間ですみました。帰りはもっと早かったです。大勢の人がいましたが,整然と並んでおり,とくに混乱はありませんでした。こういうところは神戸人は行儀がいいです。いずれにせよ,これだけ多くの人が三宮から新港町へ向かっていく光景を見ると,新しいアリーナが神戸の人の流れを少し変えつつあることも感じます。
 さて,肝心の試合です。神戸にとってはB.PREMIERでの初戦でしたが,第1クォーターから大阪に大きくリードされました。それでも第2クォーター以降はかなり盛り返し,一時は4点差まで迫りました。しかし,最後は再び突き放され,69対79で敗れました。とくに印象に残ったのは,大阪の外国籍選手の強さでした。サイズだけでなく,ゴール下でのプレーの確実性が高く,ここぞというところで得点されます。一方,神戸ではセンターのファーダウス・アイマク(Fardaws Aimaq)が17得点,18リバウンドと奮闘しました。チームとしても50リバウンドを取っており,リバウンドで圧倒されたわけではありません。しかし,フィールドゴール成功率は34.4%,3ポイントは22本中5本の22.7%。これでは,なかなか勝てません。
 ところが,翌日(27日)の第2戦は違っていました。この試合はNHKの総合でも,大相撲の前の時間帯に中継されていました。立ち上がりは19対24とリードされていましたが,前日のように第1クォーターで試合を壊されることはありませんでした。第2クォーターに差を広げられ,前半終了時には41対50で9点を追いかける展開でしたが,転機は第3クォーターでした。3本の3ポイントを決め,第3クォーター終了時には64対62と,この試合で初めてリードを奪いました。第4クォーターでもリードを守り,最終スコアは84対78。B.PREMIERでの神戸ストークスの記念すべき初勝利となりました。
 前日の試合を見たときは,B.PREMIERではなかなか厳しいかもしれないと感じましたが,翌日には,第3クォーターで逆転し,勝ち切りました。開幕2試合だけでチームの力を判断することはできませんが,これからの戦いが楽しみになる1勝だったと思います。これで神戸は開幕2連戦を1勝1敗で終えました。新しいアリーナができ,そこを本拠地とするチームが新しいリーグで戦い始め,その最初の勝利もすぐに生まれました。
 神戸にはヴィッセル神戸があり,そしてバスケットボールには神戸ストークスがあり,ラグビーでは神戸スティーラーズがあります。ときどき気が向いたら,地元の神戸のチームを応援に行きたいと思います。とはいえ第一は野球であり,こちらはオリックス(ほっともっとフィールド神戸が準本拠地とされています)ではなく,阪神タイガースです。

2026年9月27日 (日)

秋場所を終えて

 大相撲秋場所は,千秋楽の結びで大の里が安青錦との相星決戦を制し,12勝3敗で優勝しました。13日目に霧島,14日目に琴櫻と連敗し,一時はどうなるかと思いましたが,最後は安青錦を突き出し。大事な一番で前に出る横綱らしい相撲を見せました。安青錦も11勝4敗ですから,やはり強いです。4日目から3連敗して3勝3敗となりながら,そこから8連勝して千秋楽まで優勝を争いました。現在の幕内では,大の里と安青錦の二人が,自力では一歩抜けているように思えます。
 場所前には,霧島の綱取りと熱海富士の大関取りが注目されていました。霧島は先場所12勝3敗で優勝決定戦まで進み,今場所も綱取りの可能性を残していました。ところが,中盤に3連敗。13日目には大の里を破る意地を見せましたが,結局は8勝7敗でした。綱取りの場所としては,物足りない成績です。さらに残念だったのが熱海富士です。夏場所9勝,名古屋場所12勝で,大関昇進の目安とされる三役での3場所33勝に届くには,今場所12勝が必要でした。10日目を終えた時点では8勝2敗。十分に可能性がありました。ところが,11日目からまさかの5連敗。結局8勝7敗に終わりました。この熱海富士の失速は,「3場所33勝」がいかに難しい数字かをよく示しています。一場所だけ二桁の白星を挙げることはできても,それを三場所続けなければなりません。現在の幕内上位の顔ぶれを考えると,これは容易なことではありません。
 そのなかで,今場所もっとも印象に残った力士の一人が藤ノ川です。新関脇で11勝4敗。安青錦,琴櫻,霧島の3大関を破り,千秋楽には熱海富士にも勝ちました。敢闘賞も受賞しました。体格だけで圧倒するタイプではありませんが,動きが速く,相手の攻めへの対応力もあり,簡単には崩れません。大の里には敗れたものの,上位陣を相手にこれだけ白星を重ねたことには大きな意味があります。11勝した以上,次の場所からは藤ノ川にも大関という言葉が出てくるでしょう。しかし,今場所の熱海富士をみれば,一場所11勝したことと,三場所で33勝することとの間にはかなり大きな距離があることがわかります。
 私なりに現在の幕内の力関係をみると,まず大の里と安青錦が抜けています。その次に豊昇龍と霧島がいて,さらにその下になると,琴櫻から藤ノ川,熱海富士,美ノ海,琴勝峰,琴栄峰,義ノ富士,高安,伯乃富士,藤凌駕,朝乃山,尊富士,藤青雲あたりまで,それほど大きな実力差はないように思えます。もちろん番付には差がありますし,調子の波もあります。しかし,実際に土俵に上がれば,どちらが勝っても不思議ではない取組が非常に多いのです。これが,いまの大相撲の面白さではないでしょうか。横綱や大関が前頭上位と対戦しても安心して見ていられるわけではありません。逆に,勢いのある若手なら,一場所で一気に上位へ食い込む可能性があります。藤ノ川は,まさにそれを今場所示しました。しかも,これは幕内上位だけの話ではありません。幕内下位でも,十両でも,実力の接近した力士同士の熱戦が多く,毎日の取組を見ていて退屈しません。番付が下だから相撲の質も単純に下がる,という感じがあまりしないのです。
 この背景には,いろいろな理由があるのでしょう。若い力士の大型化やトレーニング方法の進歩もあるでしょうし,相手の相撲を映像で研究できるようになったことも関係しているのかもしれません。そして,これはあくまで印象論ですが,数年前の八百長問題以降,日本相撲協会が厳しい対応をとってきたことも,現在の土俵の緊張感と無関係ではないのかもしれません。少なくとも,勝ち越しのかかった終盤戦でも,星のやり取りを疑いながら見る必要があるという雰囲気は,かつてに比べればずっと薄くなりました。
 実力が伯仲しているから,一番一番の勝敗が読みにくい。だからこそ,三場所続けて11勝前後を挙げることには大きな価値があります。霧島も熱海富士も今場所はその難しさを味わい,今度は藤ノ川がその競争に加わってきました。大相撲の人気が高い理由はいろいろあるでしょうが,結局のところ,土俵そのものが面白いことが一番なのでしょう。秋場所を15日間見ていて,そんな当たり前のことを改めて感じました。

2026年9月24日 (木)

マジック7の安心と不安

 阪神の優勝マジックが7になりました(先ほど広島が巨人に勝ったとのことなので,マジック6になりましたが,以下はマジック7の段階の話です)。9月23日のヤクルト戦に8対4で勝ち,4連勝です。7連戦を6勝1敗で乗り切ったのですから,よく頑張ったと思います。ただ,巨人とのゲーム差は1・5。残り試合は阪神が9,巨人が7です。マジックが一桁になったからといって,安心できる状況ではありません。
 そもそも優勝マジックとは,他のすべてのチームの自力優勝の可能性がなくなったときに点灯する,優勝を確定するために必要な残り勝利数です。マジック7ということは,巨人が阪神との直接対決(1試合)を含めて残り試合に全勝しても,阪神があと7勝すれば優勝できるということです。巨人は,阪神に勝つだけではなく,ほかの試合にもすべて勝ったとしても,阪神の結果次第では優勝できません。だから,巨人には自力優勝の可能性がないのです。
 実際に計算してみます。9月23日終了時点で,阪神は75勝58敗1分,巨人は74勝60敗2分です。以下,今後は引き分けがないものとします。巨人が残り7試合に全勝すると81勝60敗2分。一方,阪神が残り9試合を7勝2敗で終えると82勝60敗1分となり,勝率で巨人を上回ります。つまり,巨人との直接対決に負けても,それ以外の8試合で7勝すればよいわけです。直接対決での敗戦は,いまのマジック7の計算に,すでに織り込まれています。
 ただし,これは現在の成績を出発点とした話です。阪神は,これからDeNAと2試合,ヤクルトと2試合を戦い,5試合目となる10月1日に,甲子園で巨人と対戦します。それまでの試合結果によって,事情は変わってきます。たとえば,直接対決を残したまま,阪神が他球団に2連敗し,巨人が他球団に2連勝したとします。この場合,順位は逆転しますが,阪神にはまだ7試合が残っています。全部勝てば82勝ですから,優勝できます。それならマジックも消えないように思えますが,そうではありません。巨人の側から考えると,その時点で残る5試合に全勝すれば81勝です。そのなかには阪神戦の勝利も含まれるので,阪神がほかの試合にすべて勝っても81勝にとどまります。同じ81勝でも,巨人は60敗,阪神は61敗となり,巨人が勝率で上回ります。つまり,巨人にも自力優勝の可能性が戻るので,阪神のマジックは消えるのです。
 ここがややこしいところです。阪神は,残り試合に全勝すれば優勝できます。しかし,巨人も残り試合に全勝すれば優勝できます。両チームの直接対決が残っているので,どちらも「自分たちが全部勝てばよい」といえるわけです。もちろん,両チームが同時に全勝することはできません。自力優勝の可能性があることと,マジックが点灯していることとは,違うのです。
 さらに,阪神が3連敗し,巨人が3連勝した場合でも,直ちに巨人にマジック4がつくわけではありません。阪神がその時点で残る6試合に全勝すれば81勝になります。その場合,巨人は阪神との直接対決に敗れていることになるので,ほかを全部勝っても80勝です。阪神にもまだ自力優勝の可能性が残り,どちらにもマジックがつかない状態が続きます。
 こう考えると,マジックは,優勝までの道筋を示してはくれますが,安心を保証してくれる数字ではありません。残り9試合で7勝というのは,相手の結果に頼らずに決めようとすれば,かなり厳しい条件です。もちろん,巨人が負ければ必要な勝ち数は減っていきますが,選手たちにとっては,目の前の試合に勝つことに集中するしかないのでしょう。それでも,ファンはつい順位表を眺め,巨人の試合結果を確認し,あれこれ計算してしまいます。ただ,この時期に優勝の可能性があり,こうしてやきもきできること自体,幸せなことだと思います。かつての暗黒時代には,考えられなかったことですから。

2026年9月20日 (日)

秋場所中日が終わる

 大相撲秋場所は中日を終えました。横綱大の里は隆の勝を寄り切って7勝1敗とし,単独トップに立ちました。一方,1敗で並んでいた琴櫻は新小結伯乃富士に押し出されて2敗。霧島も美ノ海に押し倒されて3敗となりました。2敗には琴櫻,熱海富士,藤ノ川,美ノ海,朝乃山,宇良,金峰山,寿之富士が並んでいます。前半を終えて,大の里が一歩抜け出した形です。
 大の里については,やはり実力は文句なしでしょう。ただ,今場所の前半を見ていて気になるのは,強いときと,そうでないときの差がかなり大きいことです。前に出て相手を圧倒するときには,誰が相手でも止められそうにありません。その一方で,相手に先手を取られたり,自分から引いてしまったりして,危ない相撲になる日もあります。それでも,抜群の運動神経とバランス感覚で土俵際に残り,結局は勝ってしまいます。内容が悪いときにも白星を拾えるところに,大の里の地力の高さが表れているともいえますが,それが危険な罠かもしれません。今日も隆の勝を寄り切り,星だけを見れば堂々の7勝1敗です。後半に「強い日の大の里」が続けば,優勝争いの中心であることは間違いないでしょう。
 綱取りの霧島は,今日,美ノ海に敗れて5勝3敗となりました。ここまでを見ていると,どうも相手を圧倒するような力強さが感じられません。それでも何とか勝ち切ってしまうのが霧島の持ち味なのかとも思っていましたが,中日で3敗となると,さすがに綱取りという点ではかなり厳しくなりました。6日目には義ノ富士にも上手投げで敗れています。勝ち方の巧さだけでなく,相手をねじ伏せるような相撲も見たいところです。
 安青錦は5勝3敗。初日から3連勝したあと3連敗しましたが,7日目に熱海富士を破り,今日は大栄翔を寄り切りました。今場所は,快進撃を期待するというより,我慢の場所とみるべきなのかもしれません。調子が万全でないなかでも,自分の形を取り戻しながら白星を重ねていくという経験は,大関として今後長く戦っていくうえでは意味があるでしょう。
 琴櫻は6勝2敗ですから,成績だけなら悪くありません。ただ,相撲内容にはまだそれほど安心感がありません。勝っていても,相手を力で押し切るというより,懐の深さや土俵際の対応力で何とかしている印象があります。そして今日は,1勝6敗だった伯乃富士に押し出されました。伯乃富士のほうは2勝6敗と苦しい新小結の場所ですが,その2勝は安青錦と琴櫻という2人の大関から挙げたものです。まさに勉強の場所です。
 大関取りの熱海富士は,昨日,安青錦に敗れて2敗となりましたが,今日は琴栄峰を突き落として6勝2敗です。大関昇進には明確な勝数の条件があるわけではありません。それでも,本人にとっては,できれば今場所で決めてしまいたいところでしょう。ここで取り逃がすと,次の場所ではまた一から機運を作らなければならなくなるかもしれません。地力が大関級に近づいていること自体は疑いないだけに,後半戦は非常に重要です。
 その熱海富士と並んで6勝2敗なのが,新関脇の藤ノ川です。こちらは相撲内容がいいです。6日目には大関安青錦との激しい攻防を制し,7日目は大栄翔を押し出し,今日は高安を押し出しました。新関脇でこの相撲が取れているのは見事です。問題は,さらに厳しくなる後半にも,この積極的な相撲を維持できるかでしょう。
 義ノ富士も面白い存在です。5連敗で始まりながら,6日目には霧島を上手投げで破り,そこから3連勝して3勝5敗まで戻しました。霧島戦を見れば,三役で取るだけの力は十分にあると思います。ただ,その力を毎日安定して出せるかとなると,まだ別問題です。強い相手を倒す一方で下位に取りこぼして星が伸びないというのが,現段階の課題なのでしょう。
 そして,後半でもう一人楽しみなのが,新入幕の寿之富士です。今日は十両の御嶽海を寄り倒して6勝2敗。新入幕で中日をこの成績で折り返すのですから,勢いだけでは片づけられません。白鵬の再来のようにも思えます。大の里が先頭を走り,藤ノ川,熱海富士,寿之富士らが追う後半戦。世代交代を思わせる顔ぶれも含めて,かなり面白い秋場所です。

2026年9月16日 (水)

雨の甲子園で7連敗

 昨日,久しぶりに阪神甲子園球場でプロ野球を観戦しました。最近はなかなかチケットが取れないので,すっかり諦めていたのですが,今年は甲子園で雨天中止となった試合が多く,振替試合のチケットが一斉に発売されるという案内がありました。申し込んでみると,この日の中日戦が当たりました。本当は巨人との最終戦を見たかったのですが,さすがにそちらは無理でした。
 席は外野の50段目で,ほとんど最上段でした。しかも,バックスクリーンからかなり離れた場所でした。観戦条件としては,あまり恵まれていたとはいえませんが,でも選手の動きはよくわかりました。
 天気予報は雨で,実際にかなり降っていました。午後4時の開門時刻になっても開門されず,しばらく見合わせとなっていましたが,ネットで何度も確認していたところ4時45分に開門するという内容に変わったので,慌てて自宅を出ました。甲子園まではそれほど遠くないので,午後6時の試合開始には間に合いました。試合が始まった頃にはかなり雨が降っており,カッパを着ながらの観戦でした。それでも,15分ほどすると小降りになり,やがて雨は止みました。途中からは甲子園カレーなどの名物も食べることもでき,ビールを飲みながら,とりあえず野球観戦らしい雰囲気にはなりました。
 阪神は6連敗中で,球場にはどことなく重い空気がありました。それでも,先発のルーカス(Lucas)は3回まで中日打線を無安打に抑え,打線も森下を中心にヒットが出ていました。「今日はひょっとすると勝てるのではないか」という雰囲気はありました。しかし,4回,ルーカスが先頭打者に四球を与えたところから流れが悪くなり,細川に2塁打を打たれ,サノー(Sano)の内野ゴロの間に先制点を奪われました。その裏,阪神は無死一,二塁から元山が送り,一死二,三塁。さらに坂本が四球を選び,一死満塁となりました。ここでルーカスのあとをきちんと締めていた神宮に代わって糸原が代打で登場しましたが,まさかの併殺打。絶好の同点,逆転の機会が一瞬で消えてしまいました。球場全体が一気にしぼんだ感じでした。それでも5回には,近本が安打で出塁し,中野が送り,森下が右翼前へ同点タイムリーを放ちました。阪神にとって34イニングぶりの得点です。スタンドは大いに盛り上がりました。球場全体(厳密には,レフト側の外野の一画は除く)が一つになった瞬間は,やはりテレビ観戦では味わえないものでした。柳は阪神が以前から苦手にしている投手ですが,この日は安打も出ており,球数も多かったので,まだいけると思いました。ところが,ここでサトテルが三振。この日は5打席で4三振と完全にブレーキでした。打線全体では10安打を放ちながら,結局,得点は森下のタイムリーによる1点だけでした。ヒットは出ても点にならないという,連敗中のチームらしい展開でした。
 同点となった直後の6回には石井が登板しました。ここから反撃というところでしたが,四球で走者を出したあと,サノーにまさかの2ランホームランを浴びました。52試合続いていた石井の無失点記録も,ここで止まりました。石井で勝ち越されたことは,試合展開以上に大きなショックだったように思います。7回表には及川が登板しましたが,先頭から3連打を浴びて,さらに1点を失いました。こちらは7回裏のジェット風船を準備しているのに,中日の攻撃がなかなか終わりません。及川はその後,一死満塁のピンチをなんとか切り抜けましたが,もう少し早く交代させてもよかったのではないか,という気もしました。及川への応援コールがありましたが,あまり盛り上がっていませんでしたね。
 それでも7回裏は上位打線からだったので期待しましたが,近本が三振,中野が安打で出塁したあと,森下,サトテルが連続三振。これを見たところで,今日はもう無理と思い,席を立ちました。その後も得点は入らず,試合は1対4で終わりました。
 これで阪神は7連敗です。雨のなかで懸命に応援したファンとしては,厳しい結果でした。ただ,横浜では巨人がDeNAに2対13で大敗していたため,阪神は首位を守り,ゲーム差も0.5のままです。しかも,優勝マジックは一つ減って14となりました。7連敗していても,まだ首位でマジックが減っていくというのは不思議な感じです。
 今回の中日3連戦では,髙橋宏斗,マラー,柳という好投手をぶつけられました。阪神打線の調子が悪いなかで,これだけの投手を並べられると,やはり厳しいです。中日には,このほかにも阪神が苦手とする大野がいます。どうして,今季は,ここまで阪神が大きく勝ち越せていたのか不思議なくらいです。
 今日は試合がなく,明日17日からは甲子園で広島との3連戦,その後はDeNAとの2連戦が続きます。DeNAは巨人に3連勝して勢いに乗っていますので,安心できません。それでも,森下のタイムリーで長い無得点は止まりました。これで底を打ったと思いたいところです。ただ,打率1割に届かない糸原を絶好機に代打に使ったり,調子が安定しない及川を負けてる展開とはいえ使ったり,絶不調の坂本を使い続けたり,藤川監督の選手起用は深い意味があると信じてきているのですが,やや心配です。
 そのうち振替試合のチケットが発行されると思うので,それを狙いたいですね。次に甲子園へ行けるときには,勝ち試合を見たいのですが,実は私が阪神の試合を球場で観戦して勝ったという記憶がないので,行かないほうがいいのかも。

2026年9月13日 (日)

大相撲秋場所始まる

 大相撲秋場所が始まりました。初日は,横綱・大関陣がそろって白星を挙げました。もっとも,その内容にはかなり違いがありました(日本相撲協会「初日の取組結果」)。
 豊昇龍は,名古屋場所で痛めた右膝の手術からの回復が間に合わず,初日から休場しました。そのため,今場所は大の里が一人横綱として土俵に上がります。昨年11月に左肩を脱臼してからは本来の力強さが影を潜め,先場所も9勝6敗に終わりました。今場所最大の注目点は,この大の里が復活できるかどうかでしょう。初日は大栄翔の突き押しを受け,引いてしまいました。悪い癖です。最後は土俵際で何とか残り,はたき込みで勝ちましたが,大の里らしい前に出る相撲ではありませんでした。白星発進とはいえ,復活を印象づける内容ではありません。強い大の里は,相手の攻めを受け止めたうえで,圧力をかけて前へ出ます。明日以降,その相撲を取り戻せるかを見たいです。
 優勝候補の一番手は,やはり安青錦だと思います。先場所は左足首を痛めながら12勝3敗とし,霧島,熱海富士との優勝決定ともえ戦を制しました。大関から陥落した直後の場所で優勝し,一場所で大関に復帰したのですから,勝負強さは抜群です。今場所は左足の回復具合が心配されましたが,初日は琴栄峰を寄り切り,不安を感じさせない相撲でした。万全でなくても自分に有利な形をつくり,最後には勝ち切るところが安青錦の強さです。このまま足の状態が悪化しなければ,優勝争いの中心になるでしょう。
 霧島は琴勝峰を上手投げで退けました。先場所は12勝3敗で優勝決定戦に進んでおり,今場所は綱取りの場所といわれています。しかし,私は少し甘いように感じます。霧島は過去二場所,いずれも12勝3敗の優勝同点でした。まずまずの成績ですが,横綱に求められるのは,一場所だけの好成績ではなく,ほかの力士を明らかに上回る安定した強さです。横綱には降格がありません。今場所の結果だけで結論を出すのではなく,少なくとももう二場所ほど,横綱級の相撲を続けられるかを見るべきではないでしょうか。
 これに対して,安青錦の対抗馬となりそうなのが,大関昇進がかかっている熱海富士です。初日は豪ノ山の攻めを受け止め,前へ出て寄り切りました。堂々とした相撲でした。夏場所9勝,名古屋場所12勝ですから,大関昇進の目安とされる三役での直近3場所33勝に達するには,今場所12勝が必要です。簡単な数字ではありませんが,最近の相撲には力強さだけでなく,落ち着きも出てきました。私は今場所後に大関へ昇進する可能性を8割くらいとみています。
 初日だけをみれば,大の里は白星ながら不安を残し,安青錦と熱海富士は好内容,霧島も順調な出だしとなったという感じです。

2026年8月22日 (土)

夏の甲子園終了

 夏の高校野球は,智弁和歌山の優勝で終わりました。夏は4度目,春も含めて5度の優勝です。すごい記録ですね。
 今大会は初戦で,兵庫県代表の社高校と対戦しました。接戦だったので,社高校にも勝機があったように思っていましたが,智弁和歌山は大会を通じて成長したような気がします。多くの人は横浜の優勝が堅いとみていたと思いますが,準決勝で,智弁和歌山は,織田投手を攻略し,横浜を破りました。織田の調子がやや悪かったこともありましたが,智弁和歌山もしっかり対策をとっていたようです。とくに5番打者の楠本の3ランは豪快で,織田もショックを受けたでしょう。楠本は守備のレベルも高く,やや小柄ですが,強打の内野手として,ドラフトでは上位指名が期待できるのではないでしょうか。ショートに苦しんでいる阪神タイガースにほしい選手ですね。
 織田は打たれたものの,評価が下がったわけではないようです。高校野球は,短期間で何日も投げなければならないので,投手はどうしても出来の悪い日が出てきます。織田クラスであれば,それでも乗り越えることができることも多かったかもしれませんが,さすがに全国大会の準決勝では許してもらえなかったですね。
 いよいよ阪神タイガースが甲子園に帰ってきます。28日からの巨人戦で一気にVロードに進むか,それとも混戦に引きずり込まれるか。伊原投手の問題が起きて,先発は1枚欠けることになりますし,才木も大竹も登録抹消状況ですが,それでも村上,髙橋,下村,伊藤将は安定感が高く,ルーカスも使えそうです。そのうち才木,大竹も戻ってくるでしょうし,西勇輝もいます。木下,及川,ドリス,工藤の救援陣は信頼できるので,5回を終えて1点でもリードしていれば,勝機が高まります。このパターンが出来上がってきたのが大きいですね。打線は上位が安定しており,サトテルは調子が悪くても,ホームランが打ててしまい,サトテルがだめなときは森下が打つし,前川も骨折から驚異的なスピードで復帰してからは好調ですし,坂本は何かに取り憑かれたかのようにホームランを量産しているなど,やはり他チームよりも有利な面はあります。中野も,連続出場記録のために無理に代打で起用しているという感じではなく,昨日も見事にヒットを打っており,これなら誰も文句は言わないでしょう。

2026年8月15日 (土)

高校野球今昔

 昔は,高校野球とプロ野球とでは,迫力も技術もはっきり違っていました。昼間に甲子園の高校野球を見て,夜にプロ野球を見ると,「やはり全然違うスポーツだな」と感じたものです。
 ところが,何年か前から,その差がかなり縮まってきたように思います。とくに一部の強豪私立高校は,選手の体格からして,もう昔の高校生とは別次元です。もちろんプロ野球とは違うのですが,試合によっては,かなりそれに近い迫力を感じるようになりました。
 兵庫県代表の社高校が敗退してしまったので,その後は甲子園の試合をそれほど熱心にテレビ観戦していません。しかし,横浜と沖縄尚学の試合は,「事実上の決勝戦」とも言われていたので見ました。結果は横浜の圧勝でしたが,その強さはもう規格外という感じでした。
 なかでもプロからも注目されている織田投手は,すでに完成された投手のようにみえます。あの球を高校生が打つのは大変でしょう。そして,次の日南学園戦では小林投手が登板しましたが,こちらもまたすごい投手です。他校なら文句なしのエースでしょう。横浜には,そのレベルの投手が複数いるのです。
 地方大会を見ても,織田投手は準決勝と決勝では投げていましたが,それ以前はほとんど登板していません。小林投手をはじめ,ほかにも投手がいるので,無理にエースを投げさせる必要がないのです。十分な余力を残して甲子園に入り,甲子園でもおそらく準決勝以降を見据えながら投手を起用しているのでしょう。DH制も導入され,投手の負担は以前より小さくなっています。これは選手の健康を考えれば良いことです。かつてのように,一人のエースが地方大会から甲子園まで投げ続けることを美談にする時代に戻るべきではありません。
 ただ,そうなると,選手層の厚い強豪校と,限られた選手で戦う高校との差が,ますます大きくなるでしょう。優秀な選手を広い範囲から集め,複数の好投手をそろえ,トレーニングやデータ分析にも十分な環境を用意できる学校になると,もはや普通の高校の部活動とはかなり違ったものにみえてきます。
 横浜といえば,かつては「Y校」と呼ばれた横浜商業も甲子園の常連でした。こちらは市立高校です。とくに1983年には,春の選抜,夏の選手権の両方で決勝まで進み,春夏連続で準優勝しています。夏の決勝で敗れた相手は,1年生の桑田真澄・清原和博を擁するPL学園でした。公立高校が全国屈指の強豪として存在感を示していた時代があったのです。しかし,現在の神奈川県で,Y校が横浜のような全国トップレベルの私学を破って甲子園に出るというのは,かなり大変なことでしょう。
 兵庫でも同じです。今年は社高校という県立高校が代表になりましたが,東洋大姫路,報徳学園という全国優勝経験のある強豪私学に加え,神戸国際大附などもあり,公立高校がそれらを勝ち抜いて甲子園への切符をつかむのは簡単ではありません。
 こうなってくると,いっそのこと「私立高校の部」と「公立高校の部」に分けて甲子園をやってもらえないか,などと思ってしまいます。もちろん半分冗談ですが,高校野球が高度化し,選手育成が専門化すればするほど,学校間の競争条件の違いをどう考えるのかという問題は出てくるでしょう。
 高校生の競技レベルが上がったこと自体は素晴らしいことです。しかし,昔の高校野球には,プロ野球とは明らかに違う「高校生が一生懸命に野球をしている」という独特の世界がありました。最近の強豪校の試合を見ていると,その境界が少しずつ薄くなっているような気がします。「昔はよかった」という話は,若い人には不愉快なものでしょうが……

2026年8月14日 (金)

逃げ切れるか

 プロ野球セ・リーグは,阪神タイガースは,初の連覇に向けて,いよいよギアを上げる時期に来ました。巨人がしつこくくらいついてきていましたが,東京ドームの3連戦でスイープしました。今日は広島に負けましたが,なんとか2勝1敗で乗り切ってほしいです。
 今年は破壊的な3番打者と4番打者がいて,打率が高い2番打者,打点が多い5番打者もいるのですが,1番の近本は不運な死球で長期離脱し,6番以下は,レフトとショートは安定しないなか,大きな連勝をすることはできず,なんとかやりくりしてここまできました。とくに近本離脱中は,高寺らが最小限の仕事はして,近本の穴をなんとか埋めていましたし,ショートは元山が突然出てきて,昨年の熊谷のような感じで最小限の仕事はしてくれています。前川もケガからの驚異的な早期復活があり,守備のまずさを上回る打撃をしてくれれば,6番レフトの先発は任せられるかもしれません。捕手は,常識とは異なり3人体制で,坂本がレギュラーですが,伏見,梅野もそれぞれ持ち味を出して,投手との相性も考えて,うまく回転しています。代打陣はあまり活躍していません。期待の立石は完全に壁にぶつかっていますが,来年のサトテルが抜けたあとのことも考えると,立石に経験を積ませることは,どうしても必要となっています。
 投手陣は,村上,才木の2本柱に,今年はMVP候補の髙橋遥人が安定していて,そこに下村が出てきました。23年のドラフト1位がようやく出てきました。ずっと下村はケガが治ればすごいと言われていましたが,私は懐疑的でした。首脳陣はよく我慢して,ここまで待ちましたね。伊藤もようやく復活し,大竹もいるし,最近少し調子を落としている伊原も持ち直してくれるでしょう。抑えは,岩崎は不安定なので,9回を任せるのは心配ですし,ドリスも年齢的に無理はさせられません。そんななか,工藤や木下が,藤川監督が辛抱強く使ってきた結果,戦力となってきました。工藤は制球力が高まり,160キロの剛速球が生きるようになりました。木下もフォアポールは出しますが,球威があり,7回を任せることができます。かつてのJFKではないですが,木下,岩崎,工藤で安定させることができれば,ドリスをもっと前の方で使って負担を軽くできますね。キャンプでアキレス腱を切った石井が戻ってくるという話もあります。投手のやりくりについては,投手出身の藤川は,疲労を考えながら,うまくやっていると思います。打撃のほうは,1番からの5人に頼り切りという面もありますが,接戦になったときの攻撃の作戦や代打の選び方などには,改善すべき点がありそうです。これまで打ててこなかった投手(中日の柳,広島の栗林,森下など)をどう攻略するか,しっかりコーチ陣が対策を監督に伝授してあげてほしいのですが,打撃コーチこそ入れ替えが必要でしょうかね。

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