イタリアの最新鉄道情報
イタリアの鉄道の切符には,これまで旅行者泣かせのルールがありました。 紙の切符を買った場合,必ず駅の刻印機でconvalidare(コンヴァリダーレ)刻印(打刻)をしなければなりません(俗には,timbrare :ティンブラーレとも言います)。もしこれを忘れて乗車すると,たとえきちんと切符を買っていても無賃乗車扱いになってしまうという恐ろしい仕組みです。
これは,まるでネズミ取りのような制度でした。運が良ければ検札に来る係員に見つからずに済みますが,もし見つかれば言い訳は一切通用しません。罰金はかなり高額で,支払いを拒めば警察沙汰になることもあると聞きます。イタリアを旅したことがある方なら,この「刻印し忘れ」のストレスを一度は味わったことがあるのではないでしょうか。 ところが,最近ではスマートフォンやクレジットカードのタッチ決済で乗れるようになり,こうした「刻印」の概念が不要になりつつあります。ただし,今でも紙の切符を購入した場合には,チケットに“Convalidare sul retro”と書かれているので,うっかり忘れてしまうことがあります。電車に遅れそうになって,できないこともあります。
ミラノ中央駅からミラノ・マルペンサ空港に向かうマルペンサ・エクスプレに乗ったとき,ネット上では「空港から市内へ行く場合は刻印不要」との情報がありましたが,逆の「市内から空港へ戻る場合」については確証がなかったので,念のため途中のBovisa(ボヴィーザ)駅でいったん降り,刻印機を探すことにしました。ところが,駅には刻印機が見当たりません。駅員に聞いてみたところ,「Non è neccesario.」(必要ありません)とにこっと笑って答えられ,「Arrivederci」(さようなら)で終わりでした。どうやら本当に刻印は不要のようです。 わざわざ降りて確認しなくてもよかったのですが,それでも不安が解消されて一安心。 と思っていたら,列車の中で本当に検札がやってきました。ドキドキしながら紙のチケットを差し出すと,係員がにっこりして「Perfetto!」(問題なし)と言ってくれました。
もしかするとマルペンサ・エクスプレスだけの特例かもしれませんが,少なくとも今のミラノでは,紙の切符でも刻印なしで乗れるようになっているようです。ご参考までに。
なお,ほんとうはクレジットカードのタッチで乗ることができて,行くときはそうしていたのですが,試しに紙で発券して乗ってみようと思ったので,今回の出来事を経験できました。少なくともミラノでは,市内のトラム,バス,地下鉄すべてクレジットカードのタッチで乗れます。90分で2.2ユーロということになっているのか心配ですが,90分以内に乗りかえてタッチしていることもあるので,きちんと90分以内であれば2.2ユーロ以内におさまるように調整されているかどうか,まだクレジットカード会社の請求がアプリ上もなされていないので,少し不安ではあります。
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