イタリア人とバレー
イタリア人というと,個性が強く,びっくりするようなアイデアで周りを驚かせるというイメージがあります。スポーツでも,最近は低迷しているとはいえ,かつては天才的なひらめきで観客を魅了するサッカー選手を輩出してきました。そういうお国柄ですから,組織的な作戦が大切なバレーは向かないのではないかと思っていたこともありました。
私がバレーを知らないだけで,実は組織性だけでなく個性も大切とされるスポーツなのでしょうか。実はイタリアは,世界有数のバレーボール強国です。先日終わった世界大会では,男子が二連覇,女子も優勝し,男女そろって金メダルという偉業を達成しました。マッタレッラ(Mattarella)大統領も大喜びだったそうです。
では,現在の日本はどうなのでしょうか。かつての男子といえば,ミュンヘン五輪の金メダルのことが思い出されます。大古,猫田,横田というような名前がよくテレビから流れていたのを覚えています。女子といえば,東京オリンピックの「東洋の魔女」です。大松監督の「おれについて来い」型の猛烈なしごきは有名ですが,その背後には選手への深い愛情もあったのでしょう。だからこそ,女子たちも成果を出せたのだと思います。とはいえ,今日のスポーツ界では,たとえ愛があっても,あのときのようなしごきはもう許されないでしょうね。

