野川忍『労働法(第2版)』
野川忍先生から『労働法(第2版)』(日本評論社)をお送りいただきました。大著です。いつもお気遣いいただき感謝申し上げます。明治大学は定年退職されたそうですが,研究活動はまだ続けられるのでしょう。はしがきにも,研究者としての責任感がにじみでています。
『労働法』は,まともに体系書を書くとなると,やはり本書のように1000頁を超えるボリュームのあるものとなります。最近の『労働法』という名のつく本は,このような本格的な本と,安直に学べることを売り文句とした本の両極端となってきているような気もします(いつも同じようなことを言っていますね)。
本書では,拙著の『AI時代の働き方と法―2035年の労働法を考える』(弘文堂)を「AI時代の労働法制を論じた好文献」として紹介してくださっています(312頁注49)。有り難いことです。また,拙著が,今後の労働法制の展望について,「少なくともこれまでの労働法の機能のほとんどが失われる可能性を示唆している」という内容で紹介してくださっています(31頁注39)。私は,現在も基本的にはこの考え方に変わりありませんが,より広いパースペクティブで労働政策を論じようと知的格闘をして苦しんでいます。
それはさておき,『最新重要判例200労働法』(弘文堂)の改定作業をする際にも,本書のような信頼のおける体系書は助かります。本書を参考にしながら,最新の判例や学説の動向を確認させてもらえればと思っています。
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