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2025年9月 3日 (水)

作家の自宅住所

  朝ドラの「あんぱん」で,柳井崇の家にファンの子(この作品の脚本家の中園ミホさんがモデル)が押しかけてきたシーンがありました。昔は,書籍には作家の住所が書いてあったので,それで知ったという設定でしょう。現在の感覚からすると,どうして自宅住所がわかったのか不思議に思えそうですが,昔は普通のことだったのです。作家にファンレターを送るということはあったようで,中園さんもやなせたかしと文通をしていたそうです。ややシチュエーションは違いますが,似顔絵を書いてもらったのは実話だそうです。
 いまでは書籍に著者の住所を書くというのはありえないことです。SNSの時代ですので,SNSを通したやりとりはありえても,リアル世界でプライベートな場での交流は考えられません。これは個人情報保護法の制定などでプライバシー意識が高まったということもありますが,もともとそういうのは嫌だったけれど,慣行だと言われて仕方なくそうであったということもあったかもしれません。
 もちろん出版社には,送付してもらう物などがあるので自宅住所を教えますが,必ずしもそういう特別な必要がない場合でも,副業先に源泉徴収票の関係などの理由で住所を伝えるよう求められることがあります。マイナンバーを提示すれば十分ということにはならないのでしょうか(住所とマイナンバーだと,どちらかというと,マイナンバーのほうを教えるほうがよいです)。管轄の税務署が知りたいというのであれば,それだけ教えればよいはずですよね。マイナンバー1枚で十分ということが増えれば,もっと普及すると思います。以前,ある大学で講演した際には,生年月日まで教えるよう求められたことがありました。目的を尋ねると,同姓同名の人を識別するためだという説明でした。このように,不用意に個人の情報を取得したがる組織はまだまだ存在しますね。

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