マジック7
甲子園の巨人戦も2勝1敗で終わり,マジックは7。これで優勝はもう間違いないでしょう。藤川監督は,甲子園の巨人戦ということにこだわっていて,まだ巨人戦は東京ドームで1試合残っていますが,もう終わったという感じのコメントを出していましたね。17勝7敗という圧倒的な成績で巨人に勝ちました。大逆転で負けたゲームもあるし,今回のようなギリギリの勝負もあるのですが,巨人にダメージが残るような勝ち方が多かった印象です。今年の阪神は負けをあまり引きずらないのは,藤川監督の超前向き思考が影響しているような気がします。次につながるかどうかということしかみていません。選手もそういう観点で評価されるので,失敗しても,前向きな失敗であれば許されるということで,思い切ったプレーができそうです。昨日は,なかなか1軍でのチャンスがめぐってこなかった小野寺が活躍してよかったです。
しかし,今年の阪神は,なんといっても熊谷敬宥選手の活躍がすごいです。内野手登録で,専門はセカンドやショートですが,どこでも守れるし,そこでファインプレーを連発します。代走要員だったのに,勝負強い打撃で,現在,阪神のなかでチャンスに一番期待できる選手です。そろそろ相手投手にも研究をされ,弱点がつかれるかもしれませんが,何かやってくれそうな雰囲気が漂っています。これまでの下積みの長さが無駄になっていないということでしょう。実は攻走守3つが高いレベルで揃っているのであり,使わない手はありませんでした。これまでは一つに秀でていなければなかなかチャンスがつかめなかったのですが,今年は運がよかったです。ショート木浪とレフト前川が当初のレギュラーであった今シーズンですが,二人が脱落したとき,まずはショートは小幡ですが,レフトと6番が定まりませんでした。レフトに外野登録ではない熊谷,高寺,中川(捕手登録)あたりを使うという発想の転換が柔軟でした。左投手の場合には,熊谷をショートにし,レフトに高寺か中川らを使うということで,攻撃力と守備力がアップしました(前川は,守備は下手です)。攻撃力というと,ホームランや長打を打てる選手というイメージですが,単打でもタイムリーヒットを打ったり,四球を選べることも攻撃力ですよね。ロースコアのゲームが多い昨今の試合では,この意味での攻撃力が貴重となっています。ちなみに熊谷は守備では,センターも,サードも,ファーストも守っています。
前川は2割8分を打てるならともかく,四球もあわせて3割ちかい出塁率をもつ熊谷は,守備力だけでさらに2分くらいアップできるので,とても勝てません。前川はファンの期待が大きいのですが,打撃をみがき,サトテルに近いくらいの成績をあげなければパ・リーグへのトレード要員となるでしょう(DH導入まで阪神は1年待ってくれるか。あるいはサトテルが大リーグに行って,大山が3塁に戻り,そのあとの1塁を狙うかですね。それにしても3割,30本,100打点くらいをあげなければ無理でしょうが)。
熊谷は,まだヒッティングマーチがないようです。糸原,木浪のような元レギュラーや原口にあるのはよいですが,前川,島田,小野寺,ヘルナンデスにもあるので,今シーズンの活躍からすると,熊谷にはすぐにつくってほしいですね。

