果糖
今日で夏休みが終わりです。もっとも,最近では9月1日が新学期というわけでは,必ずしもないようですね。少し前までは最高気温40度というのは未来の話で,そんな時代が来たら困ると思っていましたが,いまや現実となっています。夏になると水分補給が必要ということで,外を歩いている時にスポーツ飲料を飲む人も多いと思いますが,最近,テレビ番組で果糖の肝臓への悪影響を訴えるものを何度か見ました。NHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられていました。果糖入りの飲料が肝臓を破壊し(脂肪肝から肝硬変,さらには肝臓がんへと進む),危険だというのです。オレンジジュースを飲むなら,オレンジをそのまま食べたほうがよい,とも紹介されていました。以前,テレビ東京でも同様の番組を見たことがあります。果物ジュース,清涼飲料水,スポーツドリンクなども注意が必要だということです。果糖そのものが悪いのではなく,液体で摂取すると肝臓に蓄積されやすいため問題であり,果物を個体のまま咀嚼して摂取するのであれば問題は少ないようです。アルコールを控えても,その代わりに果糖入りの飲料を多くとれば肝臓によくないという指摘でした。肝臓によいとされる食品(冷奴,納豆,鶏むね肉,ツナ,ゆで卵,枝豆,しらす)を食べ,運動をして体重を7%下げればよいとのことです。
私は納豆を毎日食べており,そのおかげかどうかはわかりませんが,AST・ALTの数値は正常です(もっともテレビでは,数値が正常でも安心できないと警告していました)。もちろんこれらの食品も食べ方に注意が必要です。納豆もタレをかけすぎるとよくないとか,さまざまな点で気をつける必要があります。結局のところ「この食物はよい」「悪い」という話は数多くありますが,何かによいものが別の何かに悪いこともあります。だからこそリスク分散として,いろいろな食品を食べるのがよいという,あたりまえの結論に落ち着きます。
幼少期から母親のおかげで自然な食材を多く食べてきました(その分,味付けが薄く,美味しくないと感じることもありました)。大人になってからは加工食品を口にする機会が増え,太ってしまいましたが,いまでも人工的な味にはどこか拒否感があり,口直しをしたくなることがあります。子どもに食事をさせるときには,幼いころの味覚の形成は大切であり,食が細いからといって安易に濃い味付けにするのは望ましくないかもしれません。私の小学生のころの写真を見るとガリガリで頬もこけていましたが,それでも大きな病気もせずに健康に過ごしてこられたのですから。

