別府大分毎日マラソン
節分が終わり,立春となりましたが,これから寒い日が到来します。これまでの慣行で,こういう悪い時期に試験をやり続けているのですが,そろそろ変えたらどうですかね。良い季節に試験をやったほうが学生も実力を発揮できてよいでしょう。4月入学の見直しこそ必要です。将来の教育というのは,それを専門とする役所をつくるべきで,そこで思い切った教育改革に臨んでもらいたいものです。いつも同じようなことを言っていますが。
ところで,昨日の別府大分毎日マラソンは,ずっとみていましたが,見ごたえがありました。優勝したケニア選手(キプチュンバ)はさすがでしたが,青山学院の若林選手の激走には,多くの視聴者がくぎづけになったことでしょう。最後は少し引き離されましたが,わずかな差です。でも彼は競技生活を引退するそうで,これがラストランとしてマラソンを走り,それで初マラソン最高記録(もちろん学生最高記録)の2時間6分7秒を出しました。すばらしい記録です。箱根の5区の激走も印象的でした。もったいないという声もありますが,彼が競技をやめるという気持ちは,理解できるような気がします。おそらく彼は出し切ったのでしょう。それで2時間2分で走ったのならともかく(世界記録は2時間0分35秒),2時間6分です。トップのキプチュンバとはわずかな差であるとはいえ,その差が大きいのです。これからマラソン練習に本格的に取り組んだとしても,2時間2分レベルには到達する可能性は小さいでしょう。記録より勝負ということだとしても,オリンピックとなると,キプチュンバクラスの選手がたくさんいるのです。レースの展開によっては,8位くらいに入ることはできるかもしれませんが,そのためにこれからの生活の大半を練習に捧げるのはもったいないと考えたのではないでしょうか。そして燃え尽きていなければ競技を続けたのかもしれませんが,彼なりにもう十分に達成できたのでしょう。
ところで,このレースでは,ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生も走っていました。62歳で,3時間20分32秒の自己ベスト更新というのは,すごいことです。ただ,なぜ彼が走っているのかというと,どうもそれは,iPS細胞研究所の名誉所長として,「iPS細胞研究基金」をマラソン出場を通じてPRし,その抱える財政的な課題を解決するためのようなのです。日本が世界に誇るiPS細胞について,その研究に対して十分な公的助成がなされていないとするならば,それは嘆かわしいことです。どのような事情があるか詳細はよくわかりませんが,教育や研究のお金をもっと戦略的に使ってもらえないかと思います。それだけでなく,山中先生が(身を削りながら?)走らなければならないというのは,夢のない話であり,若い人たちが研究の道に進むことをためらうことにならないか心配です。
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