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2024年11月23日 (土)

大山選手のこと

 昨晩から少し喉が痛むと思っていたのですが,今朝起きたとき,熱が少し高く,その後,午前中にぐんぐんと上がり378分まで行きました。平熱が低いので,私にとってかなりの高熱で,喉の痛みと頭痛でずっと寝ていました。いろいろ薬を飲みながら,夕方前には36度9分くらいになり,頭痛も喉の痛みも軽くなりました。まだ油断はできません。インフルエンザか,コロナか,ただの風邪かといろいろ考えましたが,数年に1度,突然原因不明の高熱になることがあり,それが久しぶりに起きたのかなと思っています。疲労の蓄積があるなか,急激な気候の変化についていけなかったのが発症のきっかけだったかもしれません
 ということで少し元気になったので,大山のことを書こうと思いました。阪神タイガースの主砲の大山悠輔選手です。FA宣言をしており,阪神退団の可能性が高いと言われています。おそらく藤川監督は,大山が来年はいないと考えて構想を練っているでしょう。可能性が高い移籍先は巨人です。大山は茨城出身ですし,関西にはそれほど縁があるわけではありません。阪神ファンは,地元出身のサトテルが好きであり,大山は自分が主砲と言われながら,ナンバー1
の選手と思われていないことをわかっているでしょう。一方,巨人は,多くの選手が行きたいと考えるチームであり,地方出身者はとくにそうでしょう。高待遇を提示されているはずで,選手としても惹かれるところは大きいはずです。FAはどこのチームで野球をするかを選択できるというプロ野球選手にとっては重要な権利であり,藤川監督があえて大山の残留の説得をしようとしないのも,選手ファーストという観点からは,よく理解できます。
 やや心配なのは,余計なお世話ですが,大山が巨人に行って幸福な選手生活を送ることができるかです。彼の今期のポジションは1塁です。守備は上手ですが,巨人には,大山より格上の岡本和真選手がいます。今シーズンの1塁のゴールデン・グラブ賞も岡本です。巨人はこれまでも他チームの4番打者を引っ張ってきていますが,成功したこともあれば,そうでないこともあります。飼い殺しをすることもありえます。チームの戦略としては,巨人で活躍できなくても,阪神で活躍できないようにするというだけで十分ともいえます。巨人は豊富な戦力があり,一方,阪神は貧打戦のなかでは,大山は良い成績をあげていたので,大山が抜ける影響は阪神には大きいでしょう。巨人はそう考えているかもしれません。また大山は全力プレーを欠かさず,ファンに愛される選手であり,チームメートにもよい影響を及ぼすことが期待されます。いてくれるだけでありがたい選手でもあるのです。
 大山の今期の成績は,打率は.259で,セ・リーグ20位,阪神でも4位です。ホームランもセ・リーグ10位タイの14本で,村上宗隆(ヤクルト)の33本,岡本の27本に遠く及びません。阪神のなかでも3位です。打点は68で,セ・リーグ9位で,これも村上の86,岡本83とは大きな差があり,阪神のなかでも3位です。唯一,大山がすぐれていたのは,得点圏打率で,.354で,これは首位打者をとったDeNAのオースティンに次ぐ2位です。とはいえ,森下翔太も.351で僅差の3位です。強打者の指標であるOPS(出塁率+長打率)も,大山はセ・リーグ14位で,阪神のなかで4位です。
 結局,阪神のなかでは,スラッガーとしての総合的な評価は,森下(ジャパンの4番打者),サトテルに次ぐ3番手です。大山がいなくなったら困るのですが,それでも致命的とまではいえません。外国人で埋めることができる可能性がないわけではありませんし,1塁ということであれば,守備に多少の不安があっても,来季は井上広大が大化けする可能性があります。
 巨人では,大山はどこでも守るつもりかもしれませんが,現実的には,1塁以外だと3塁か外野です。右の代打の切り札のような使われ方になるかもしれません。大山もそんなことは十分に承知しているでしょう。それでも自分が野球をやる場所は自分で選択したいというのが選手の気持ちなのでしょう。もしかしたら岡本は来季にはMLBに行くかもしれないし,ケガでリタイアすることもありえます。
 最終的に大山がどういう決断をするかわかりませんが,どうであれ阪神の功労者なので,活躍を期待したいと思います。

 

 

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