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2024年11月 3日 (日)

最高裁裁判官の国民審査

 1030日の日本経済新聞の朝刊で,「最高裁裁判官の国民審査,「不信任」10% 30年ぶり高水準,実効性に疑問の声も」という記事が出ていました。「不信任の割合が10%を超える裁判官は2000年の国民審査を最後に出ていなかった」そうで,今回はかなり驚きの結果といえます。その一方で,「ただ今回の審査対象の6人のうち就任から1年以上たっていたのは今崎氏と尾島氏の2人のみ。関与した裁判例などの判断材料が十分ではないなどの課題は長年指摘されてきた。審査の実効性を疑問視する声も上がっている。」と書かれていました。
 どのような事件でどのような立場で判決を書いたかわからない人の審査をするのは容易ではありません。かりにそれがわかったとしても,国民が判断するのは容易ではありません。もちろん,国民審査は,その人が最高裁の裁判官にふさわしいかを過去の経歴などからみて判断するということもできるでしょう。それでも,多数派である裁判官上がりの人は,彼ら・彼女らがそれまでに書いていた判決などを判断資料にすることになりますが,やはりそういうのを国民が判断するのは容易ではありません。
 おそらく最高裁の裁判官を選出する際には,なぜその人が推薦されるのかについての理由が公開されるべきではないかと思います。そうした理由が明らかにされれば,まだ少しは評価の材料が出てきます。そして,本人の抱負などを,直接,テレビやネットで語るという機会も設けてもらえればと思います(学生からの質問に答えるというような場もあったら面白いかもしれません)。アメリカの連邦最高裁判事のほうが,その思想傾向をはじめ,顔もよく知っているということでは困るのです。改革を望みたいところですね。

 

 

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