箱根駅伝予選
19日に行われた箱根駅伝の予選をテレビで観ました。本戦では,20校(+関東学生連合)が出場でき,そのうち10校は前回の大会の10位以内のシード校です。予選会で上位10校が,本戦出場できるわけですが,これが熾烈な戦いです。各校は12人の選手がハーフマラソンを走り,その成績上位10人の合計タイムで順位が決まります。前回の本戦で優勝候補でしたが,まさかのシード落ちになった中央大学などは,エースを温存しており,やや冷っとしましたが,予選通過です。その他,立教,専修,山梨学院,日体大,中央学院,日大,東京国際,神奈川,順天堂が予選通過です。10位の順天堂と,11位の東京農大は1秒差です。東京農大は,報徳学園出身の学生ナンバーワン(1万メートル 27分21秒52)の前田和摩選手が肺気胸で走れなかったのが痛かったですね。惜しかったのは東海大学です。同大の10番目にゴールしそうであったロホマン・シュモン選手が,あと10メートルくらいのところで力尽きて失格で,その次の選手も大幅に遅れていて,シードを逃しました。失格がなければ十分に予選通過できるタイムで来ていたのに,最後の最後でまさかの悲劇が待ち構えていました。
こういうことが起こったのは,過去最悪に近いと言われるコンディションの悪さです。10月とは思えない高温多湿で,タイムは過去最悪に近いくらいのものだったようです。
このレースの過酷さは,団体戦であることとも関係しています。チームの戦略として,留学生らエースたちは,個人走でタイムを稼いでもらい,その他の選手は集団走で互いに引っ張りあうというものがあります。ただ集団走は,うまくタイム設定をしなければ沈没してしまうこともありますし,こういう走り方が苦手な選手もいます。また遅れそうになる選手に合わせることもできないので,見捨てていくタイミングの判断も重要でしょう。しかも,途中での総合順位がわからないので,自分がどれくらい頑張ればよいかわからず,オーバーペースになってしまうこともあります。東海大で失格になってしまったシュモン選手も,そういう事情があったような気がします。通常の駅伝であれば,自分のいまの順位がわかりますし,前後の人との差もわかるのですが,そういうことがわからない目に見えないタイム差を意識ながら走るというのは苦痛でしょう。
箱根駅伝は,本戦の戦いにもたくさんのドラマがありますが,10区でシード校にすべりこむための10位争いも,実は予選会の過酷さがわかると,大きな見どころになります。