竜王戦第3局
佐々木勇気八段が藤井聡太竜王(七冠)に挑戦している竜王戦7番勝負の第3局は,藤井竜王が勝って2勝1敗となりました。佐々木八段が優勢であったと思いますが,2日目に入り,攻め合いの選択がわずかに甘かったようで,最後は藤井竜王が攻め切りました。藤井竜王がいったん攻めのギアを入れたとき,そこから逃れるのは難しいということが改めてわかりました。佐々木八段は,次の対局で敗れると,後がなくなるので,なんとか頑張りたいところでしょう。
順位戦は,A級では,佐藤天彦九段が4連勝で快調です。永瀬拓矢九段,渡辺明九段,佐々木八段が3勝1敗で追っています。今期の挑戦者は,この4人の中から出るでしょう。一方,関西勢は菅井竜也八段と稲葉陽八段が4連敗で苦しいです。前期の挑戦者である豊島将之九段は,菅井八段との全敗対決で,なんとか逆転勝ちして1勝3敗となりました。
王将戦は,挑戦者決定リーグが進行中です。7人の総当たりです。西田拓也五段が3勝1敗で好調です。羽生善治九段,永瀬九段,菅井八段に勝っており,予想外といえば失礼ですが,藤井王将(七冠)への挑戦に一番近い状況にあります。近藤誠也七段,広瀬章人九段が2勝1敗,永瀬九段が1勝1敗でこれを追っています。菅井八段と羽生九段は1勝2敗,佐々木八段は2敗で出遅れました。西田五段以外は,3局か4局残しており,挑戦も陥落もまだわかりません。西田五段は,広瀬戦と佐々木戦を残しています。ここを1勝1敗で乗り切れば,プレーオフ以上に行ける可能性が広がります。羽生九段は,残りの相手が,近藤七段,永瀬九段,佐々木八段と強力なので,4人の残留枠に残れるか微妙です。
女流棋戦は,10月23日に王座戦が始まりました。体調が心配された福間香奈女流王座(女流五冠)でしたが,西山朋佳女流三冠に,初戦は勝利をおさめました。ここで福間王座の体調を考えて,第2局は2月下旬に行うことが決定されています。その前に産休前の11月上旬に短期間で倉敷藤花戦の3番勝負を,挑戦者の伊藤沙恵女流四段をむかえて行います。ただ白玲戦のほうは,本日予定されていた第6局は,体調不良で2局連続の不戦敗となり,これで4敗となって,西山白玲の防衛となりました。福間さんの白玲奪取への挑戦は,来年に期待したいです。