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2024年8月19日 (月)

新幹線の臨時列車

 先日の台風直撃を受けて,816日,東海道新幹線は始発から運休をしましたが,それを2日前には発表していました。台風の進行の予測が正確にできるのが驚きですし(いまさら驚くことでもないのでしょうが),それに早めに対応して,旅行客への便宜を図ったJR東海の動きもよかったといえるでしょう。ただ,前日に臨時列車を出したと報道されていたので,ふと思ったのは,先日,このBlogでも採り上げた年休に関するJR東海事件です。臨時列車などの増発の可能性があることが,年休の取得日の特定方法や時季変更権の行使などに影響してくることが,この事件をとおしてわかったのですが,私は労働者の休暇保障の観点からは,AIなどを使って事前予測をして,できるだけ早い時期に年休日を確定できるような取扱いをすべきではなかろうかと考えていました。とはいえ,突然の台風などとなると,AIの予測にも時間的に限界があるでしょう。臨時列車を出して公共交通機関としての社会的使命を果たすべきなのか,それとも労働者に無理をしても働いてもらうということになるのか。実際に,今回の臨時列車がどれだけ労働者に無理がかかっているのかわからないので,無責任なことはいえません。ただ,欧州人的な発想(古い発想かもしれませんが)でいけば,臨時列車を出してもうかるのは鉄道会社なので,自分たちはこうした追加的な仕事はしないとしてストライキをしたり,みんなが困っているときにこそ,ストライキをすれば,自分たちの要求事項が社会に知ってもらえると考えたりするのでしょうが,そこは日本の労働組合はそういった発想にはならないし,ストライキをすれば世論の支持を得られないのでしょう。もちろん旅行者としては,計画運休を早めに告知し,臨時列車で対応するというのは,有り難いことです。とはいえ,その背後に労働問題がないことを祈ります。

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