官僚たちの夏
城山三郎が通産官僚のことを描いた作品のことではなく,数日前に日本経済新聞で取り上げられていた霞が関の蒸し風呂状態のことです。エアコンの設定温度が高かったり,夜には切られたりというような劣悪な労働環境で官僚(とくに厚生労働官僚)が働いているということのようです。ちょっと信じられないのですが,これが事実であれば,即刻改善しなければならないでしょう。いつも言っているように,日本の多くはすでに亜熱帯気候だと考えたほうがよく,しかも湿気が多い不快指数が高い国です。国の重要な政策を担う官僚には,きちんとクーラーが効いている良好な環境で働いてもらう必要があります。テレワークの推進ももちろん必要です。
若い官僚であれば,多少は劣悪な空間でも働けるでしょう。しかし,大学の同級生たちが民間企業で,エアコンが効いて快適な空間,あるいはテレワークや場合によってはワーケーションでばりばりと仕事をして,しかも高給を得ていたりしているときに,なんで自分はこんな環境で働いているのかと思うようになると,官僚志望の人は減り,あるいは転職者が増えるでしょう。
記事を読んでいると,官僚がかつての炭鉱労働者のような環境で働いていないかと心配になってきました。苦労して働いた経験は将来に役立つことがあるとしても,やらなくてよい苦労もあります。寿命を縮めながらも,日本のエネルギー産業を支えるべく炭鉱労働に従事してくれた人たちのことを思いながら,現代において日本のために働いてくれている官僚にはせめて少しでも涼しい環境で働いてもらえればと思います。有力な政治家には,炭鉱労働者の苦労を知っていなければならない家系出身の人もいるのであり,ここで一声かけて官僚の労働の環境改善に取り組んでもらいたいです。
盆踊りのシーズン。あまり聞かれなくなった炭坑節を口ずさみながら,そんなことを考えていました(荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」は盆踊りに向いていないと思いますが,なぜかいまでも定番ソングになっています。でも,それだったら炭坑節を流してほしいですね)。
« 日曜スポーツ(一日遅れ) | トップページ | もう一つの障害者雇用対策 »
「つぶやき」カテゴリの記事
- ネットが使えない恐怖(2024.09.04)
- 共通善の実現方法(2024.08.30)
- 4分1と3分の1の違い(2024.08.22)
- 哀悼(2024.08.21)