王位戦第4局
藤井聡太王位(七冠)に,渡辺明九段が挑戦している王位戦第4局は,藤井王位が勝って3勝1敗となり,防衛に王手をかけました。渡辺九段は先手でしたが,攻勢に出たのは藤井王位で,銀を5五に進出し,1三にでた角を5筋に直射させ中央突破を図り,角切りで相手陣を脆弱化し,飛車が成り込んで王手をかけたところでは,藤井王位が優勢となりました。それにしても,あの渡辺九段が,こうまで一方的に押し込まれるとは驚きです。よほど藤井王位は渡辺九段との相性が良いのでしょうね。
竜王戦は,挑戦者決定3番勝負で,佐々木勇気八段が,広瀬章人九段を2連勝でくだして,藤井竜王(七冠)への挑戦権を得ました。藤井竜王のデビュー以来の連勝を29で止めたのが佐々木八段ですし,2年連続での対決となった前期のNHK杯の決勝でも,佐々木八段が藤井竜王をやぶって前年の雪辱をはたして優勝しています。対戦成績は藤井竜王からみて5勝2敗ですが,大事な勝負では勝っている佐々木八段の,竜王戦での藤井竜王との対決はとても楽しみです。
佐々木八段は,順位戦でもA級で,2連勝で好調な出だしです。このほか2連勝は,佐藤天彦九段,増田康宏八段で,名人挑戦の本命の豊島将之九段は,渡辺明九段に敗れて2連敗,そのほか,菅井竜也八段,稲葉陽八段も2連敗と関西勢は苦しい出だしです。1勝1敗は,永瀬拓矢九段,渡辺明九段,中村大地八段で,さらに増田八段とならんで初昇級組である千田翔太八段も1勝1敗です。
B級1組は,連勝は近藤誠也七段だけ(2勝)で,2勝1敗に斎藤慎太郎八段,羽生善治九段,糸谷哲郎八段,高見泰地七段が並んでいます。2連敗ないし3連敗はおらず,すでに昇級・降級争いは混沌としています。
ところで,佐々木勇気八段は,王将戦でも,最強メンバーが集まるとされる挑戦者決定リーグ入りにあと1勝というところまで来ています。昨期はリーグに入ったものの,2勝4敗で陥落しました。今期はリーグ入りすれば,昨年の経験を糧にして,ひと暴れが期待できそうです(リーグにシードされているのは,菅井八段,羽生九段,永瀬拓矢九段,近藤七段の4人です)。
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