『Q&A現代型問題管理職対策の手引』
弁護士法人高井・岡芹法律事務所編『Q&A現代型問題管理職対策の手引―組織強化と生産性向上のための実務指針を明示』 をお送りいただきました。いつもどうもありがとうございます。お礼が遅くなり申し訳ありません。
本書は,問題のある「管理職」の実務的対応について法的側面のみならず,人事管理上の望ましさという観点から実務的なアドバイスをするというものです。管理職は企業において重要な役割をもっているのです(それゆえに管理職になりたがらない若者が増えているのですが)。そこで問題のある人がいれば,企業としては生産性に直結しますし,そもそも適性を欠く人を管理職にしてはいけないのであり,もし適性に欠けると判断したときには,できるだけ早急に対処する必要があります。
とくに今日の管理職は,現場の従業員を指揮したり,訓練したりするだけでなく,様々な悩みへのケアもしなければなりません。ハラスメント,メンタルヘルス,さらにコンプライアンスなどで,部下の悩みに適切に対応しなければ,企業の生産性を下げますし,同時に,場合によっては,管理職本人だけでなく,企業のほうも法的責任を追及される可能性があります。管理職の役割の拡大にともない,企業が気をつけるところも増えるのです。
こうした時代ですから,本書のような実践的な本が必要となるのです。労働法の実務書としての価値だけでなく,労働法の一般理論を管理職のケースにあてはめるという点で研究者にも参考になるところが多いと思います。何よりも企業の経営陣は手元に置いておくべき本と言えるでしょう。
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