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2024年6月24日 (月)

小池百合子の強み?

  7月7日投票の都知事選は,候補者乱立で大変な状況ですね。もっとも勝負は,小池知事と蓮舫氏の一騎打ちでしょうから,ある意味では単純です。むしろ問題は,この二人しかまともな候補者が出ていないという選択肢の少なさでしょう。
 私もかつて東京都に住んでいたことがありますから,都知事選に投票したことがあります。衝撃を受けたのは,青島幸男知事の誕生のときで,あのときはまだ東京にいたのですが,冗談かと思ってしまいました。でも都知事選の有権者は,当時の私も含めて地方出身者が多いと思いますので,地元のことを考えてくれるからとかそういう基準ではなく,結局は人気投票となるでしょう。「意地悪ばあさん」が都知事になっても,おかしくなかったのです。
 私の記憶にある都知事は,美濃部亮吉以降であり,鈴木俊一,青島幸男,石原慎太郎,猪瀬直樹,舛添要一,小池百合子です。猪瀬氏と舛添氏は途中で辞任ですが,1期で退いた青島氏を除くと,美濃部氏,鈴木氏,石原氏が長くやっているように現職は強いです。小池知事も現職の強みがあるでしょう。
 でも彼女の強みは,それだけではないように思います。1期目のとき,小池知事の当選に大きく貢献したのが,石原慎太郎の「大年増の厚化粧」発言と言われています。現在の日本郵政の社長の増田寛也氏(元岩手県知事)も自民党側で立候補しましたが,小池氏に完敗でした。石原発言への反発で,年配の女性票が大きく小池氏に流れたのではないかと言われました。男性中心社会のなかで,男性をうまく利用しながらも,自分の力でキャリアを切り開いてきた小池氏に,小池氏に近い世代だけでなく,広い年齢層において,憧れと共感をもつ人が少なくないのでしょう。有権者の半分は女性なのです。学歴詐称は,ほんらい大きな問題ですが,それですら小池氏にとって致命的にはならないのは,男性ほどは学歴にこだわらない女性たちにとって(自分の息子には高学歴を期待するかもしれませんが),小池氏が学歴で叩かれることに納得していないのかもしれません(公職選挙法違反などは重要ではないのでしょう)。カイロ大学卒業という肩書は,彼女がのしあがるために必要なことだったのであり,アラビア語のレベルが低すぎるといったことで叩いても,むしろ揚げ足取りのような批判と受け取られ,かえって小池氏への共感の理由になってしまうのです。この程度の嘘で塗り固めなければ,やっていけないのよ,ということへの支持なのかもしれません。「大年増であっても,厚化粧であっても,そのどこが悪い? 私たちは小池氏を何が何でも応援するわ」という人たちに支えられている限り,小池当選は揺るがないでしょう。
 これはあたかもTrumpが,どんなに無茶苦茶なことを言ったりやったりしても,不倫の口止め関係で有罪判決を受けるなどの恥ずかしい犯罪をしていたとしても,彼がアメリカの政界のエリートたちに叩かれるなかで果敢に戦っている「俺たちの英雄」というイメージがある限り,「有罪が何なんだ」というノリになってしまうのと似ている感じがします。Trumpも,叩かれば叩かれるほど,票は減らないどころか,固まる可能性があるのです。
 もちろん小池氏にしろ,Trump氏にしろ,知事や大統領に適していないと冷静に考える人も少なからずいるでしょう。しかし人気投票選挙となると,こういう冷静な票は伸びにくいのでしょうね(もちろん知事選は,蓮舫氏も著名人ですから,反自民票を集め切れれば勝機があるかもしれません)。首相公選制はやめたほうがよいですね。

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