棋聖戦第2局
藤井聡太棋聖(八冠)に山崎隆之八段が挑戦する棋聖戦5番勝負は,藤井棋聖の先勝で始まり,一昨日の17日,第2局が行われました。結果は,藤井棋聖の勝利でした。後手の山崎八段が飛車を2筋に振る向い飛車戦法を採用しました。評価値は初手から最後まで藤井棋聖優位のままでした。見せ場はいろいろありましたが,藤井棋聖は冷静に対応してノーミスで乗り切り,最後は,見事に山崎玉を詰ましました。なんとか1つは山ちゃんに勝ってもらいたいですが,相手が強すぎますね。
順位戦も始まりました。C級1組は井上慶太九段などベテラン勢が頑張ったことが話題になりましたが,井上九段の弟子で藤井八冠,伊藤匠七段に次ぐ若手有望棋士である藤本渚五段も勝利でスタートです。昇級の最有力候補でしょう。B級2組は,井上九段と同じ還暦棋士である谷川浩司17世名人の今期はどうでしょうか。順位は5位と昇級に向けては良い位置にいますが,今期は対戦相手が厳しいです。初戦は高崎一生七段に快勝でしたが,このクラスは,今期はC級1組からの昇級組の3人が強いのです。一人は叡王にあと1勝の伊藤七段で,初戦は横山泰明七段に勝ちました。あとの二人のうち,服部慎一郎六段は強敵の丸山忠久九段に勝ち,古賀悠聖六段も北浜健介八段に勝ちました。谷川17世名人は,40歳下のこれら若手3人との対戦があるので,ぜひ壁になってもらいたいです。C級2組は,所属棋士が多いので2日に分けられます。1日目はすでに終わりましたが,このクラスは,実績十分なもののなぜか抜け出せていない佐々木大地七段と八代弥七段が注目です(毎年注目されていますが)。ともに白星でスタートしましたが,対戦相手をみると佐々木七段は今期こそ昇級の大チャンスです。順位戦では冴えないけれどタイトル挑戦経験のある本田奎六段あたりを乗り越えれば大丈夫でしょう。ただこのクラスは1敗でもすると危ないです。佐々木七段の順位は14位とあまりよくないので,全勝で乗り切りたいところです。
A級順位戦も始まりました(最後の2局以外は,一斉対局ではありません)。初戦は,佐藤天彦九段が永瀬拓矢九段に逆転勝ちで好発進です。ここ何年かは佐藤九段はなかなか挑戦権にからめていませんが,振り飛車転向で新境地を切り開き,名人復位に向けた挑戦権の獲得に期待がでてきています。昨日は,A級1年目の増田康宏八段が,菅井竜也八段に勝ちました。菅井八段はA級では,過去4年は5勝4敗を3回あげて安定しています。今期こそ名人戦挑戦権をつかみたいところでしょうが,出だしでつまずきました。
明日20日はいよいよ叡王戦の最終局です。このほかB級1組が始まり,C級2組の残りの対局もあります。