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2024年5月 3日 (金)

小池都知事の学歴詐称問題

 小池百合子都知事の学歴詐称がまた話題になっていますね。以前に石井妙子『女帝 小池百合子』(文藝春秋)をこのblogで採り上げたことがありますが,この問題が再燃しています。世間の常識はすでに「カイロ大学卒業」は眉唾で,それを前提に,それでもこの人に都政を任せてよいかというところに関心が移っているような気もします。

 民間企業であれば,最終学歴に詐称があれば,懲戒解雇となることが多いのですが,ただ学説には,経歴詐称があっても,その後の勤務状況や仕事のperformanceに問題がなければ,当初の詐称だけを理由に懲戒解雇をするのは重すぎるという議論はあります(普通解雇はありうるということですが)。同じ理屈でいえば,小池氏の場合は政治家生活が長いし,都知事だけをみても2期やっているので,学歴詐称だけを問うのは妥当でないという意見が出てくるかもしれません。しかし,民間企業の会社員と議員や知事を同列にはおけないでしょうし,政治家特有の選挙で禊を済ませたという言い分については,本人が詐称を否定しているので,禊になっていないでしょう。そもそも詐称は,公職選挙法に違反するので(同法2351項の虚偽事項の公表罪),その点からも最終学歴を問題とせざるをえないのだと思います。実際,外国の大学での卒業が虚偽であったとして辞めた議員は少なからずいたと思います(きちんと数えたことはありませんが。国内の大学の卒業を詐称するのは,すぐにバレるので難しいでしょうが,以前に東京六大学のある大学の中退を詐称したことがバレて辞めた議員はいましたね)。

 先日の衆議院の東京15区の補選では,さすがの小池氏もその神通力が衰えたとされています。彼女の応援した乙武氏の不人気に加えて,小池氏の学歴詐称問題が影響したことは確かでしょう。本来はこの選挙区は,もうすぐ知事の任期が切れる小池氏が国政復帰をめざして出馬すると言われていたところで,出れば当選は確実で,そこで一挙に,岸田後継に名乗りをあげるというシナリオがあったようですが,学歴詐称問題を抱えたままでは首相になることは難しく,それなら都知事3期を目指したほうがよいと考えたのかもしれません。しかし,その都知事選も,よい対抗馬がいるか不明とはいえ,小池氏の再選はあやしくなっているのではないでしょうか。そもそも公職選挙法違反の疑惑を抱えながら,出馬できるのでしょうかね。

 学歴詐称は,アンフェアなことであり,これだけ話題になっているのですから,明確な解決をしてもらわなければ,社会的にも大きな影響があるでしょう。将来的には,(希望的観測も含め)学歴社会ではなくなるのでしょうが,これまで学歴詐称で議員辞職になった人もいれば,民間でも懲戒解雇になった人もいたわけであり,有名人であり権力があるから許される,ということになれば,国民は納得できないでしょう。マスメディアも知っていることがあるなら,もっとしっかり報道すべきで,ジャニーズ問題の教訓も活かすべきです。

 卒業の有無は,海外の大学にはいろいろあるとはいえ,比較的簡単に証明できると思う(外国の大学は日本とは違うとはいえ,卒業の証明ができないような大学は,そもそも卒業したといっても価値がないといえるでしょう)ので,それをきちんとやり,もし卒業が虚偽であるなら(あるいは,なんらかの見解の相違があり誤解を招いたのなら),そのことを謝罪して,そのうえで遅くとも来年10月にはある次の衆議院選挙に出れば,状況は変わるのではないかと思います。反小池派は,小池氏が開き直って乾坤一擲の大勝負に出ることを一番恐れているのではないでしょうか。

 

 

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