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2024年5月29日 (水)

15年ぶりに経済セミナー登場

 昨日は,台風の影響で暴風警報が出ました。すさまじい雨量でしたが,今日は一転してからっとした好天です。

 ところで,本日,大学で経済セミナーの最新号を受け取りました。慶応大学の太田聰一さんとの対談が掲載されています。「これからの労働市場改革を考える」という特集号のなかの「「日本型雇用」はどこへ行く?」というテーマでの対談です。太田さんとの対談は,たぶん初めてで,オンラインでしたが,とても有意義でした。前に日本労働研究雑誌の編集委員を一緒にやっていたこともあり,太田さんの学識には,いつも尊敬の念をもっていたので,今回の対談が実現してとても嬉しかったです。

 経済セミナーということで読者が法律の専門家ではないことをふまえて,政策論をやりましたが,ただ解雇法制だけはしっかり法律論もやりました。個人的には,いつも述べているように,解雇の金銭解決の議論が進んでいないことを歯がゆく思っており,こういう目立つ媒体でしっかり議論をすることができたことは有り難く思っています。

 経済セミナーの編集長の尾崎大輔さんは,川口大司さんと私が編著者である『解雇規制を問い直す―金銭解決の制度設計』(有斐閣)の生みの親です。出版社が変わったとはいえ,この本には尾崎さんにも思い入れがあったと思います。なぜ解雇規制を問い直す必要があるかということは,対談のなかでふれていますので,ぜひ読んでみてください。

 対談のほかに掲載されている論文では,上記の本の共著者でもある川田恵介さんが,完全補償ルールの実装に向けた課題を論じておられます。完全補償ルールは基本的にはアイデアであり,それを具体的な法規定に落とし込むうえでは,ブラッシュアップの必要があるので,その点については,ぜひ経済学者の方にがんばってもらいたいです。

 このほか,宮本弘暁さんの人的投資の論文も興味深かったです。私たちの対談のなかでも,このテーマについてかなり論じていますが,宮本さんの論文を読むと,いっそう今日の政策課題が浮き彫りになると思います。

 また,フリーランス関係も,これからの労働政策では重要です。この点については,フリーランス協会の平田麻莉さんがしっかり書いてくださっています。そこで指摘されているフリーランス法の課題(社会保険の問題,偽装フリーランスの問題)は,政府にしっかり取り組んでもらいたいです。

 ところで,経済セミナーへの登場は,15年ぶりです。15年前は,会社法の大杉謙一さんと,経済学者の大竹文雄さん,柳川範之さんとの座談会でした。また,このときは同時企画として,法学セミナーにも同じメンバーの座談会が掲載されていました。日本評論社は面白い企画をしましたね。ただ,それ以来,私自身は,法学セミナーには「法学者の本棚」というコーナーのエッセーで登場しただけです(三島由紀夫の本を採り上げました)。あのときのメンバーでもう一度,座談会をやってみたい気分でもありますが,どういうわけか(?)日本評論社の法律系とは縁がないので,別の媒体でやれないですかね。

 

 

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