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2024年5月31日 (金)

叡王戦第4局

 藤井聡太叡王(八冠)に,伊藤匠七段が挑戦する叡王戦第4局は,藤井叡王が勝って22敗のタイとなりました。伊藤七段が初タイトルをとり,藤井の八冠時代を終わらせるかが注目されましたが,藤井叡王が踏ん張りました。本局は藤井叡王の快勝でした。伊藤七段はあまり見せ場をつくれなかった気がします。藤井八冠には追い込まれて精神的に乱れるというようなことはなさそうですね。これで,決着は最終局にまで持ち越されました。620日の第5局は大注目となるでしょう。藤井八冠は,その間に,棋聖戦のタイトル戦が始まり,その第1局(66日),第2局(17日)があります。山崎隆之八段が挑戦します。藤井八冠は,名人戦が第5局で終わったので,第6局目に予定されていた13日と14日の名人戦がなくなりましたが,それでも相変わらずタイトル戦続きのハードスケジュールですね。すべてのタイトルをもつ以上,しかたないのですが。

 7月から始まる王位戦のほうは,挑戦者決定戦が行われ,渡辺明九段が,斎藤慎太郎八段に勝って藤井王位への挑戦権を得ました。渡辺九段は久しぶりのタイトル戦登場です。年齢的には,そう多くのチャンスはないでしょうから,なんとか藤井八冠からタイトルを奪取したいと考えていることでしょう。とくに藤井八冠から名人を取られたことは痛かったと思います。あと2期で得られる永世名人をほしかったでしょうから。渡辺九段にとっても,渾身の力をふりしぼった戦いをするでしょうから,好勝負が期待できると思います。

 他の棋戦では,王座戦の挑戦者決定トーナメントに,鈴木大介九段が快進撃しています。二次予選からの登場で,藤井猛九段,佐藤和俊七段,横山泰明七段を破り,挑戦者決定トーナメントに進出して,その後も,勢いのある若手有望の藤本渚五段,昨年,藤井聡太八冠相手に,棋聖戦。王位戦の連続挑戦をした佐々木大地七段を破ってのベスト4です。次の相手の永瀬拓矢九段は強敵ですが,健闘を期待したいです。このほかは,ベスト4をかけて豊島将之九段と広瀬章人九段が,また糸谷哲朗八段と羽生善治九段が戦います。実力者ぞろいですが,そのなかに久しぶりに挑戦に近いところに鈴木九段が入っているのは特筆すべきことです。

 

 

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