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2024年5月16日 (木)

日本郵政に未来はあるか

 今朝の日本経済新聞で,日本郵政グループが,金融事業への依存を強めていると書かれていました。もともと郵政は3事業(郵便・貯金・簡易生命保険)で出来ているビジネスで,郵便は赤字で,それを郵貯(金融)とかんぽ(保険)で補うという構造であったのですが,郵貯銀行とかんぽ生命保険は将来的には日本郵政の持ち株を完全売却するということが予定されていて,郵便事業をどう立て直すのかが,日本郵政・日本郵便にとって重要な課題となっています。
 とはいえ,電子メールやSNSの時代において,封書・葉書・切手のようなアナログ媒体はなくなっていくでしょう。役所は簡易書留が大好きですが,ほんとうは必ずしも必要でないものまで書留にしていると思いますし,いずれにせよデジタル化の進行により,残念ながら郵便ビジネスは絶滅に向かいつつあるように思います。宅配などのニーズはありますが,専門の民間業者との競争に勝てるでしょうか。ヤマトや佐川はアプリで荷物配送の事前連絡があるのですが,日本郵便はLINE登録しているものの,事前通知が来ることはあまりないのです(私の設定の問題でしょうかね)。 
 郵便事業の危機は,日本郵便の雇用問題などにも影響するでしょう。同社のHPをみると,臨時従業員を除いても従業員数が171,804名(2024年3月31日現在)という日本有数の大企業です。経営危機になったときの影響は甚大です。
 今日の問題は,森永卓郎氏に言わせれば,アメリカの言いなりになって,小泉純一郎が郵政民営化をやったからだということになりそうです(『書いてはいけない』)が,郵政民営化の功罪についての評価は難しいところです。郵政民営化の経緯において,アメリカが,日本人がこつこつ貯めてきた膨大な郵便貯金に狙いを定め,なんとかそこに自国の金融機関が参入できるようにするためにかけたプレッシャーに負けたということがあるのですが,かりにそうでも,郵政民営化が国民のためになっていたらよいのですが,ほんとうのところはどうなのでしょうか。
 現在,自民党は,郵政民営化法の改正の検討を進めているようです。日本郵政と日本郵便を合併し,郵貯銀行とかんぽ生命保険の完全民営化をやめて日本郵政が3分の1の株を保有し続けることとし,日本郵政への外資規制を導入することなどが内容です。振り返れば,2005年の嵐のような郵政民営化選挙は,刺客の小池百合子の東京進出を可能としたり,自民党の重鎮を落選させたり,その後の政治に大きな影響を与えましたが,あれは何だったのかということを,きちんと総括してもらいたい気もします。あのとき小泉首相と同じ清和会に属しながら一人毅然と反対票を投じた城内実氏(静岡7区)は,その後の総選挙で刺客として送り込まれた片山さつきに惜敗しましたが,その後リベンジをはたし,現在は自民党に復党しています。城内氏が,あのときのことをどのように語っているか聞いてみたいですね。

 

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