レジ係の働き方改革
日本経済新聞の電子版(5月15日)で,「座ってレジ接客,人手不足解決に スーパーのベルクなど」という記事が出ていました。これが記事になるのは,日本ならです。
私がかつて住んでいたイタリア・Milanoの近所のスーパーマーケットでは,レジの店員は当然座っていて,カゴに入れた商品は,客が自らベルトコンベアの上に並べて,それを店員はピックアップしてレジに打ち込み,横に滑らせていき,そこでたまっていった商品を客が自分で回収して袋に詰めます(他の欧州諸国も私の知る限りはほぼ同じ)。ぐずぐずしていたら,次の人の商品がやってくるので,急がなければなります。商品は棒で区切られるので混ざりませんが,焦らされます。
これが近所のいかりスーパーになると,高齢者の客が多いためかもしれませんが,商品カゴを置くだけで,レジの店員(もちろん立っています)がそれを一つひとつ取り出してスキャンして,それをもう一人の店員(英語ではsacker[袋係])が受け取って,丁寧に袋に詰めてくれます。しかも持ち運ぶときに傾いたりしないように,よく考えて丁寧に詰めてくれます。ときどき研修生がいますが,横でベテランがいて,しっかり指導しています。ベテランは,卵,いちご,ワインなどが混在していても,上手に商品が壊れないように安全に詰めてくれて,まさに名人芸です。楽ちんですが,おそらくイタリア人がこれをみたら驚くでしょうし,(質的に)過重労働だとして労働組合が文句を言ってくるかもしれません。ちなみに,いかりスーパーでは,お客がいなくても,レジ係の人はずっと立っています。余計なお世話ですが,椅子に座らせてあげたいですね。
客としても,そこまでやってくれなくてもよいです。過剰サービスであり,むしろ労働者が楽に働けるようにしなければ,いずれは働き手がいなくなってしまわないかが心配です。ただその前に,レジ係(英語ではchecker)は,人間がやらなくてもよくなるでしょうが。
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