国会でのタブレット禁止に思う
Yahooニュースで,「うんざり」「全く意味不明」...国民・玉木代表が嘆息 本会議場のタブレット使用に歴代正副議長が「拒否権」発動という記事が出ていました。国会の本会議場でのタブレット使用は,品位や権威の観点から禁止されているということのようです。玉木代表が嘆息するのは当然です。そういえば,河野太郎デジタル大臣がスマホでメモ内容を確認しながら質問をしようとして,制止されたこともありましたね。
自分で作成した原稿を紙で印刷して持ち込まなければならないなど,どれだけ時代錯誤であるか。他人に作ってもらった原稿を読んでいるだけの人にはわからないのかもしれません。デジタル化を政府が本気で進めるなら,まず国会議員から紙を禁止にし,全員,原稿はタブレットかスマホ上のものを読むことを義務づけたらいいのだと思います。これなら裏方作業をしている役人の仕事の軽減化にもつながるでしょう。
国会におけるデジタル化を阻む慣行こそ,その権威を損なっているといえます。おそらくタブレットなどを禁止しようとしている人は,議員にしろ,事務局にしろ,タブレットやスマホをミニパソコンとして使ったことがないのではないでしょうか。私たちの生活において,スマホは携帯電話としての利用はごくわずかで,主として情報収集・発信の手段であるわけで,何か調べたいときにスマホを使ったり,自分のメモをスマホで確認したりすることが禁じられるなど,現代社会ではありえないのです。
ライドシェアも解禁されたとはいえ,安全性を重視して,規制のがんじがらめです。新しい時代に対応できていません。高プロ(労働基準法41条の2)を,健康確保といった観点から,規制のがんじがらめにして,使い勝手の悪いものとしているのと同じようなことです。
このように,いろんな面で世間から遊離しているようにみえる国会ですが,実は,それは日本社会におけるデジタル格差を映し出しているのかもしれません。格差をつけられているほうが,日本の支配層にいるのは嘆かわしいことです。
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