「あるべき労働法とおこなわれている労働法」
拙著『労働法実務講義(第4版)』(日本法令)の刊行を記念して,本書の主たる読者層として想定されている社会保険労務士の皆さん向けに行った1時間超の講演の動画が,社労士限定情報サイトにアップされています。ぜひご覧になっていただければと思います。本書の「はしがき」に書いているような「あるべき労働法」と「おこなわれている労働法」の区別(これについては,『人事労働法』(弘文堂)の序文(1頁)で紹介した山口浩一郎先生の言葉に由来しています),両者を分ける必要性などをまず説明しています。そして,本書では「おこなわれている労働法」に焦点をあてて書いているものの,実はよくみてみると「あるべき労働法」にも言及しているので,その点についてピックアップして,簡単な解説をしています(もちろん詳細は本書を読んでもらう必要があります)。全体を視聴してもらうと,みなさんが,日頃,実務で活用している労働法について,たんに通説や判例を追うだけでは得られないような新たな視点をつかむ取っ掛かりが得られるかもしれません。最後のほうでは,労働法を超えて,実務家は企業人事にどのように取り組むべきかということにもふれています。お時間のあるときに,本書を片手に,ゆっくり聞いてもらえればと思います(もちろん1.25倍速で聞いてもらっても大丈夫です。1.5倍ですと,少し聞きづらいかもしれません)。
ビジネスガイドに連載中の「キーワードからみた労働法」は,今回は,第202回で「労働条件明示義務」がテーマです。この4月から労働基準法施行規則が改正されて,労働条件明示義務の内容が拡大されていますので,それを素材に執筆しています。
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