« 自治体でのパワハラ問題に思う | トップページ | 前川孝雄『Z世代の早期離職は上司力で激減できる』 »

2024年4月22日 (月)

叡王戦第2局

 叡王戦5番勝負の第2局は,20日に行われ,ついに挑戦者の伊藤匠七段が,藤井聡太叡王(八冠)に勝ちました。対藤井戦の連敗を11で止め(1持将棋),同時に,昨年秋の竜王戦からの藤井八冠とのタイトル戦での連敗も8で止め,さらに藤井叡王のタイトル戦の連勝記録を16で止めました。17が大山康晴15世名人の記録であったので,それに一歩届きませんでした。しかし16も偉大な連勝記録であることに変わりありません。タイトル戦は,絶好調の棋士が相手となるのです。
 これで叡王戦は11敗となり,実力的にはいま一番藤井八冠に迫っているはずの伊藤七段が,ここからどう挽回するかが見ものです。
今週には名人戦の第2局もあり,挑戦者である豊島将之九段も勇気づけられたかもしれません。

 2つのタイトル戦が並行して進んでいますが,もう一つ,6月からは棋戦戦が始まります。その挑戦者決定戦が,本日,山崎隆之八段と佐藤天彦九段との間で行われました。山崎八段は独創性が高い将棋で,この棋戦の準決勝でも,永瀬拓矢九段を鋭い攻撃で「瞬殺」したような切れ味鋭い終盤力が魅力的です。対照的に,天彦九段は,名人3期の実力者ですが,近年は低迷していました。しかし昨年,振り飛車党に変わり再生しました。振り飛車党から居飛車党に変わって飛躍するということはよくあるのですが,その逆は珍しいです。受け中心の棋風には振り飛車が合っていることを発見したのでしょう。これは一般の会社員にも参考となる話かもしれません。いったん棋界最高峰の名人をとった棋士でも,AI時代の到来もあって,自分の将棋のモデルチェンジをして,独自の道を歩みながら成果をあげているのです。自分の成功体験を捨てて,新たなことにチャレンジするのは大変なことですが,天彦九段の復活には勇気づけられます。

 ということでこの二人の対局でしたが,182手までの熱戦で山崎八段が勝ちました。まさか43歳の山崎八段がタイトル戦の舞台に再び登場するとは誰も予想していなかったでしょう。15年ぶり2回目のタイトル戦です。前回は王座戦で当時の羽生善治王座に挑戦しましたが,3連敗で敗退しています。タイトル獲得経験はないですが,タイトル戦に昇格する前の叡王戦の初代王者ですし,NHK杯でも2回優勝するなど,実績は十分です。普通に考えれば,山崎八段が藤井棋聖からタイトルを奪取することはきわめて困難ですが,対戦成績は11敗であり,2018年の初手合いのときは山崎八段が勝っています。あのときからは藤井棋聖の実力はパワーアップしていますが,天才山崎がどこまで王者藤井棋聖に迫れるか楽しみにしています。

 

 

« 自治体でのパワハラ問題に思う | トップページ | 前川孝雄『Z世代の早期離職は上司力で激減できる』 »

将棋」カテゴリの記事