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2024年3月12日 (火)

経済教室に登場

 日本経済新聞の経済教室に登場しました。2021512日に「新しいルール,企業誘導型で ギグワーカーの未来」を,2022119日に「デジタル時代の労働法を テレワーク定着への課題」を,2023413日に「政府,人材育成に積極関与 失業給付見直しと雇用流動化」と,過去3回に書いたものと関心としてはつながっていて,個人的には一連のテーマを,いろいろな角度から書かせてもらえたと思っています。
 その前には,経済教室では,同一労働同一賃金,労働時間,労働者派遣,解雇法制など,具体的なテーマでの依頼がありましたが,徐々に大きな立法政策論のような依頼に変わってきています。とんがった意見をいつも書いていて,はじめから労働法の標準的な意見などを書くつもりはありませんし,読者(主たる対象は専門家ではない一般の人)も私が標準的な労働法学者であると思っている人はあまりいないでしょう。とにかく予断ぬきに純粋に書いていることを読んでもらい,説得力がどれくらいあるかをご判断いただければと思います。
 とはいえ3000字の制限内で書くには話が大きすぎて,正確性を追求するなら,いっぱい注釈をつけたいところですが,そういうものは削ぎ落として,言い訳はしないというのが新聞論説の書き方でしょう。
 今回は「新時代の労働法制」がテーマで,もともとは,厚生労働省の「新しい時代の働き方に関する研究会」の報告書やそれを受けた「労働基準関係法制研究会」の立ち上げなどの動きがあることから出てきたもののようですが,これらの動きに限定されずに,新しい労働法制について自由に書いてほしいという依頼だったので,自由に書かせてもらいました。とはいえ,研究会の問題意識は,かなりの部分は私も共有しており,私が著作などでいろいろ論じてきたこともかなり取り込まれていると思っています(役人は私の著作など読んでいないでしょうが)。ただ,政府がやることですと,介入色がどうしてもありそうなので(予算をつけやすいことをしたがるでしょう),そこはパターナリスティックな保護ではなく,ナッジの活用など,リバタリアン・パターナリズムでいけという趣旨のことを,これまでの経済教室でも書いていたところです。うまくデジタル技術と協働すべきであるということです(これだと予算をつけることができますよね)。
 個々の論点について踏み込んで書きたいこともありました。労働者性の問題や事業性の問題,労働者代表の問題などです。ただ,労働社会のもっと先をみると,いまとは違った技術環境が登場するのであり,ゼロから議論をすることをしなければ,間に合わないのではないかという気持ちもあります。これまでも,こうした観点から,今回の論稿と同じような主張を繰り返し行ってきました。古いものを大事にしながら改修していくのではなく,一回ガラガラポンにしてから,新たなものを作り出すことが必要なのだと思っています。ジュリストの次号では,労働時間制度に焦点をあてて,同様の問題関心で執筆しています。また,私は社会保障法学者ではありませんが,労働社会の問題を考えていくと,社会保障制度の問題に行き着かざるを得ません。今週金曜のシンポジウムは,そうした問題意識から議論ができればと思っています。

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