シンポジウムの終了
本日,シンポジウム「フリーランスの社会保障制度はどうあるべきか」が開催されました。フリーランスの社会保障制度については,いろいろ議論があるでしょうが,おそらく今日のシンポジウムでは,一般にはほとんどされていないような大胆な議論がなされたと思います。現行の制度を前提とした漸進的な議論では不十分というメッセージは,先日の日本経済新聞の経済教室でも書きましたが,なかでも最もラディカルな変革が求められているのが社会保障制度の分野であると考えています。
今日のシンポジウムでは,同志社大学の坂井岳夫さんから新たな社会保障制度のクリアなモデルが提示され,それについて経済学者の安岡匡也教授(関西学院大学)と平田麻莉(フリーランス協会代表理事)のコメントもいただきながら,興味深い議論ができたと思います。
坂井さんとは,他の労働法研究者とともに,2年ほど前から,フリーランスに関する法制度の研究プロジェクトを立ち上げています。昨年,フリーランス法が制定されましたが,これで終わりではないと思っています。なかでもフリーランスのセーフティネットの問題は未解決の重要テーマです。近い将来,私たちの提言を書籍にまとめる予定です。
新たな問題に立ち向かうのに必要なのは,知的チャレンジだと思っています。フリーランスの働き方やセーフティネットのあり方を考えるのは,自分たちの子や孫の社会のために何が残せるかがかかっているからであり,国民的な議論が必要です。今回のシンポジウムがそのために少しでも貢献ができたならば嬉しいです。登壇者や関係者の皆さん,そして視聴してくださった皆さんすべてに感謝を申し上げます。