春場所
大相撲の春場所は異例ずくめでしたね。昨日の段階では,尊富士は出場できそうになかったので,休場力士の優勝があるかなという感じでした。あるいは大の里が豊昇龍に勝てば,3敗で並びますが,優勝決定戦は大の里の不戦勝で優勝ということもあるかなとも思いました。でも,尊富士は見た目ほど重症でなかったのでしょう。今日の対戦相手の豪ノ山もやりにくかったとは思いますが,尊富士は足の怪我を感じさせない勝ちぶりでした。押されてしまうとケガをした右足に負担がかかっていたのでしょうが,立ち合いでうまく相手の動きを止められたので(豪ノ山も,相手のケガのことに配慮して,押すのを避けて四つでいったのかもしれませんが),得意の速攻ができたのでしょう。新入幕の優勝というのは,110年ぶりということですし,初土俵から10場所目の最速優勝でもあります。歴史的快挙です。横綱は途中休場で,4人いる大関も,そのうち霧島は大敗ですし,貴景勝は満身創痍で,上位陣が弱体の場所ではありました。それでも,豊昇龍には負けたものの,新大関の琴の若には勝っており,さらに関脇の若元春,小結の阿炎にも勝っています。また実際上は最強とも思える大の里との直接対決でも勝っていて,そうみると幕の内最高優勝にふわしい内容でした。
昨年の名古屋場所の伯桜鵬,秋場所の熱海富士,今年の初場所の大の里,そして今場所の尊富士のように,毎場所,新入幕の力士が優勝戦線にからんだり,好成績を残したりしています。尊富士はもう一場所みてから評価したいですが,準優勝の大の里は期待どおりの安定した勝ちっぷりであり,実力的には,すでに大関級でしょう。ケガで幕下まで落ちた伯桜鵬は部屋の混乱が気の毒ですが,そのうち再入幕するでしょう。熱海富士は取り口が覚えられてきたのかもしれませんが,いつかは大関に上がれる力はもっているでしょう。
来年の春場所は,枡席で観戦したいと思っています(まだ,枡席体験がないので,死ぬまでに一度は体験したいです)。その頃は,横綱は琴の若と大の里ではないでしょうかね。豊昇龍と霧島は大関にかろうじて残っているかもしれません。大関候補と言われていた大栄翔や若元春は大関に上がれそうな感じはないですね。それなら朝乃山の復活の可能性のほうが高いかもしれません。