東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』
東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社文庫)を読みました。
結婚を控えた神尾真世に,突然,実家に一人で住んでいた父の英一が殺されたという訃報が届きました。英一は元教師で,多くの教え子に慕われていました。殺される理由はなさそうです。あわてて実家に帰ったところ,久しぶりに父の弟(つまり真世の叔父)の神尾武史に会いました。この武史が超人的な(?)推理力を発揮して犯人を見つけ出すという話です。怪しそうな人物はいろいろいるのですが,犯人は意外な人でしたので,読んで楽しみにしてください。ストーリー自体は面白いのですが,神尾武史が元マジシャンということで,警察官からスマホを盗んで,こっそり送信してしまうなど,かなり無理なことができてしまえるようになっていて,不自然さを感じてしまいました。マジシャンが,マジックの技をつかいながら謎解きをするというのは面白いですが,ちょっとスーパーマンすぎますかね。個人的には,相棒の杉下右京くらいのスーパーマンぶりであったら,また納得できるのですが……。
でも,この神尾武史のキャラでシリーズ化していきそうです。
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