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2024年2月15日 (木)

新NISAの影響

 13日の日経平均は前日より1000円以上上昇し,一時的には,過去最高額を超えることもあったようです(14日は少し下落しました)。日本株がここまで好調なのは,円安による日本企業の業績の好調さであるとか,海外投資マネーが,中国の景気変調から,日本に回ってきているとか,新NISAで個人株の流入があるとか,米国景気が良く株高で,それに引っ張られているとか,いろいろな理由がありそうですが,やはり根本的には,大口の投資を行う海外のファンドの,日本企業への期待の高さがあるのでしょう。株主を重視するコーポレートガバナンスの動きも好感されているようです。
 もっとも,これまでの日本の常識では,株主の利益よりも従業員の利益を重視するということをやってきて,それが日本の会社の強みでもあったわけです(従業員主権)。海外投資家の目を意識した企業経営と従業員の利益の衝突は,あまり顕在化していなかったのです(もちろん,昔よりはアクティビストとの対立が増えています)が,今後,どうなっていくでしょうか。
 この点では新NISAにより,新たに投資を始めた日本人が,株主としての視点をもつようになったとき,従業員の利益の重視は当然という意識しかもっていなかった人と比べて,何か変化が生じるのかが注目されます。雇用確保に力を入れている企業は,魅力的に映るでしょうか。雇用確保にこだわらず,個人の成長に力を入れている企業のほうが魅力的に映るかもしれません。
 辞職する人が多い企業はどうでしょうか。その企業をステップにして,次の企業に行くという自発的な移動であれば,辞職率が高くても,良い企業である可能性があります(優秀な人が集まり,活気のある企業であるかもしれないからです)。もちろん,たんにブラックな企業であるから,辞職率が高いだけかもしれません。投資先として考えたとき,こういうところを見極めることが必要でしょう。
 ただ,これは,就職先や転職先を考える時にも必要なことです。結局のところ,良い企業を選ぶことが大切ということでは,労働者も投資家も同じです。新NISAは,そういう労働者兼投資家を増やしていくことになると考えられます。これにより,若者たちを中心に意識変化がおこれば,雇用社会にも何らかの影響が生じるのではないかと思います。

 

 

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