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2024年2月27日 (火)

ロシアのこと

 Putinは,ナバリヌイ(Navalny)を殺したのでしょうか。大統領戦に勝つことは疑いの余地がなく,圧勝の形をつくることも,Putinの力からすれば簡単なはずなので,わざわざ殺す必要はないように思います。日本人の感覚では,弔い合戦のようなことになると,かえって反対票が増えそうではないかと思ってしまいます。それにしても,ロシアは遠い国です。隣国ではありますが,何を考えているのか,よくわからないところがあります。Putinは,1721年に帝政ロシアを建国したピョートル大帝(英語では,Peter the Great)を意識しているという話を聞いたことがあります。ロシアを近代国家に押し上げた,あの皇帝を目指しているということでしょうか。

 ところで,このBlogで前に何度か,兵庫県淡路島出身の江戸時代の商人である高田屋嘉兵衛のことを描いた司馬遼太郎『菜の花の沖』のことに言及したことがあります。文庫で6巻本なのですが,その途中の巻で,延々とロシアの歴史のことに触れている場面があります。高田屋嘉兵衛の話のはずが,それはすっ飛ばされて,ロシアの歴史のことを書いているのです。なかでもピョートル大帝のことは詳しいです。高田屋嘉兵衛がなぜロシアに連行されたかを知るためには,ピョートル大帝から,エカテリーナ大帝(英語では,Catherine the Great)のことまでを語っておかなければならないということでしょうが,型破りの小説です。でも勉強になります。
 それはさておき,ピョートル大帝は男子に恵まれず,数少ない息子のアレクセイ(英語表記の一つが,Alexey)も,その無能ぶりもあり殺してしまいます(謀反の疑いで捕まり獄死となっていますが,大帝が撲殺したとの噂もあります)。そして男の後継者がいないなか,ピョートル大帝は急死し,なんと皇后のエカテリーナ1世(英語表記はCatherine Ⅰ)が即位します。売春婦の噂もあった人です。ここからロシアにはエカテリーナ大帝まで4人の女帝が誕生します。エカテリーナ1世のあとは,アレクセイの息子のピョートル2世(Peter Ⅱ)が即位しますが早世し,その後,ピョートル大帝の異母兄であるイヴァン(Ivan5世の娘のアンナ(Anna)が皇位につきます。しかし,ピョートル大帝直系のエカテリーナ1世の娘エリザベータ(英語表記は,Elisabeth)は,これに不満です。イバン5世の系統とピョートル大帝系統の間で,皇位継承についての女(および,そのバックにいる宮廷勢力) の戦いになりました。アンナは,エリザベータの野望を打ち砕くために,イヴァン5世のひ孫で,自分の姉の孫のイヴァン6世を誕生後にすぐに即位させるという無茶なことをしましたが,エリザベータの反乱でイヴァン6世は廃位され,その後,可哀想なことに,彼はずっと幽閉されてしまいます。そして,最後は看守に殺されてしまうのです。これでイバン5世の系統はとだえ,その後即位したエリザベータの後を継いだのは,エリザベータの姉の子のピョートル3世でした。しかし,敵国プロイセン王を崇拝しているドイツびいきの皇帝は国内では不評で,ドイツ人出身ですが,ロシア化に尽力していた皇后を支持する勢力が,ピョートル3世を廃位します(その後,殺害されます)。こうして,この皇后が即位するのですが,それがエカテリーナ大帝であったわけです。彼女の治世で,ロシアは大きく飛躍するのですが,この4人の女帝が登場するゴタゴタ騒動をみたとき,もとはいえばピョートル大帝が後継者問題をきっちりさせていなかったことが原因であったように思います。そして結局は,血筋がまったく関係していない外国人出身の女帝に皇位をゆだねることになったのです(外国の教養がある啓蒙専制君主であったことが,ロシアには良かったのでしょうが)。

 日本の皇位継承問題と結びつけるつもりはありませんが,いろいろ考えておかなければならないという教訓になるでしょう。Putinの話から,思わぬ方向に脱線してしまいました。

 

 

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