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2024年2月 8日 (木)

『最新重要判例200労働法(第8版)』

 『最新重要判例200労働法』(弘文堂)の第8版が届きました。改訂作業に入った当初は,もう少し先の刊行の予定でしたが,作業が順調に進み,この時期の刊行となりました。作業時期はずれていたのですが,日本法令の『労働法実務講義』の第4版の改訂と重なりました。
 何版か前から,収録する判例は200に維持するという方針にしており,新たに増やした分は,減らすということにして,入れ替えを進めてきました。団体法の収録判例数を減らそうとすることは前から考えているのですが,今回もまた維持しました。
 労働社会は大きく変わりつつあります。日本型雇用システムを前提とした重要判例が,新たな判例に生まれ変わるということも期待したいものです。10年後には3割くらいは収録判例が入れ替わっているというくらいにならなければ,いけませんね(そのときは,私が著者をしているかわかりませんが)。
 そうそう今回の「キーワードからみた労働法」(日本法令のビジネスガイド)は200回目ということで,いつものとは違い,「4大判例法理」というテーマで,過去の4つの重要判例を紹介しました。これは,菅野和夫先生と諏訪康雄先生の『判例で学ぶ雇用関係の法理』(1994年)で挙げられていたものです。どの判例であるかは楽しみにしておいてください。昭和40年代,50年代のものですが,昔は最高裁による積極的な法創造がされていたことがわかります。近年は判例は小粒になっていますが,それは労働法が成熟したからでしょう。4大判例のうち2つは成文化されていますので,これを別の判例に入れ替えるとすると,重要性という点からは,朝日放送事件・最高裁判決,日産自動車(残業差別)事件・最高裁判決,あるいは山梨県民信用組合事件・最高裁判決あたりが候補になるでしょうかね。

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