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2024年2月20日 (火)

代書屋

 小泉和子『こんな仕事があったんだ! 昔のお仕事大図鑑』(日本図書センター)という本を読みました。昔のお仕事が写真入りで紹介されていて,面白かったです。いろんなお仕事があるなと思ったのですが,そこで気になったのが代書屋です。司法書士と行政書士の起源でもあります(代書屋という響きには,なんとなくネガティブなものがありそうですが,重要な仕事です)。
 連城三紀彦の小説に「藤の香」という短編の名作があります。『戻り川心中』(光文社文庫)に収録されています。これは代書屋が関係しています。色街で文字のかけない女たちのために代書している男が,彼女たちの秘密を知ってしまうことから連続殺人事件に関係していくという作品です(Amazonで調べたら,私はこの本を2016年に購入していました)。代書屋というのは,現代風にいえば,個人情報を知りすぎてしまう仕事であり,信用されていなければできません。
 大河ドラマ「光る君へ」の主人公まひろ(紫式部)は,男たちのためにラブレターの代書をしていました。1000年以上前の話です。代書といっても,書く内容も自分でアイデアを出しているので,高度な知的仕事です。彼女は決して顔を出さずに男のふりをして仕事をしていましたが,それは男が女に頭を下げて教わるというのを潔しとしない時代だったからでしょうか。女の気持ちは女が書いたほうがよく,それがまひろのような文才があればなおさらです。いまなら生成AIに頼ることができそうです。私も,テーマを与えて,AIに短歌をつくってもらいましたが,その出来栄えにびっくりしました。みなさんも,ぜひ試してみてください。

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