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2024年1月 3日 (水)

JAL機の事故に思う

 新年早々,地震に続き,大変な事故が起きてしまいました。第一報の段階で,飛行機が火だるまのようになっている映像をみて,てっきり墜落して炎上したものだと思い,これでは全員助からないではないかと,背中に悪寒が走りました。その後,地上で海上保安庁の飛行機と衝突という情報が入り,そして飛行機からは全員脱出したという情報が入ったので,少しほっとしました。しかし当初は全員脱出なんてできるのかという半信半疑でした。見事に脱出していましたが,間一髪であったのかもしれません。幼児も車椅子も含め,400名近くいたなかで,17名のケガですんだのは奇跡的です。CAの訓練と乗客の協力がスムーズにいったのでしょう。いままで飛行機を利用して怖い思いをしたことはありませんでしたが,何かあれば大惨事となることはわかっており,やはり離陸・着陸は緊張感をもつべきということを,改めて認識させられました。そして,CAは若い女の子がいいなどという不謹慎なことは考えず,老若男女に関係なく,いざというときに命を守ってくれるプロフェッショナルの仕事をしてくれるかどうかで評価しなければならないということもまた再認識できました。
 かつては週に1度くらいは出張していたことがあり,飛行機に乗ることには慣れていたのですが,やはり離陸のときの緊張感にはなかなか慣れることはできませんでした。帰りなどはラウンジで酒を飲んでおいたほうが,すぐに眠れて恐怖感から逃れることができるなどと考えたものでした。飛行機に乗るときには,自分の運命を操縦士に委ねなければなりません。これは不思議な感覚です。もしかしたら全身麻酔の手術を受けるような場合に,医師にすべてを委ねるというのと同じような感覚かもしれませんが,まだそういう手術の経験がないので,日常生活のなかでは飛行機に乗るときしかない感覚なのです。搭乗し,ドアが閉められたとき,ああこれでもう逃げられないと観念するのですが,これは良い気分ではありません(それなら,少なくとも国内なら,飛行機に乗らずに,列車で行けばよいじゃないかと言われそうですが)。
 海上保安庁の方は気の毒です。亡くなった方の遺族も辛いことでしょう。管制官のミスか,海上保安庁側の機長のミスかはまだわからないようです(JAL機のほうのミスではないようです)。航空事故調査は,再発防止のためには,事故原因の究明を最優先にする必要があり,関係者には,自分や仲間の刑事責任が問われるような証言も積極的にしてもらう必要があります。そのため事故調査委員会などでの報告書を裁判手続で利用することの制限や刑事免責などの制度化が必要という議論は以前からあります。医療事故などでも同様です。現時点の法整備がどうなっているのかよく知りませんが,まだ進んでいないのなら,ぜひこれを機会に検討を進めてもらいたいものです。
 また,今回の事故も含め,衝突防止のための技術的な対応可能性はなかったのかも,ぜひ検証してもらいたいです。専門家ではないのでよくわかりませんが,今回の事故についての解説を聞いていると,着陸時の安全は,管制官とのやりとりや操縦士の視認などに頼る部分も大きいようであり,もしそうなら,そこにはなお技術的改善の余地があると思いました。「最後は人間」ではなく,安全のための人間とテクノロジーの最適な協働のあり方を,今後も追求してもらえればと思います。

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