« メディアの責任 | トップページ | 「そがれる研究時間」  »

2023年12月16日 (土)

棋戦情報

 藤井聡太名人への挑戦権をめぐって争うA級順位戦は,豊島将之九段が6連勝で,これを王将戦の挑戦を決めている菅井竜也八段が51敗で追いかける展開です。この両者は最終戦で対局するので,このまま勝ち進んで,将棋界の一番長い日(2024年2月29日)に大勝負ということになるかもしれません。渡辺明九段(前名人)と永瀬拓矢九段が32敗で追いかけていて,次に対戦します。負けると挑戦者レースから脱落でしょう。降級争いは,広瀬章人九段(11月に昇段しました)が15敗と苦しい状況です。順位がいいとはいえ(2位),残りを21敗で切り抜ける必要があるでしょう。豊島九段や渡辺九段との対局が残っているので苦しいかもしれません。そのほかに,24敗で,斎藤慎太郎八段,稲葉陽八段,佐藤天彦九段,中村太地八段が並んでいます。中村八段は,渡辺九段と永瀬九段との対局が残っており,順位が最下位であるだけに,この両者に勝たなければ残留は難しくなるでしょう。
 広瀬九段は,順位戦は不調ですが,実は竜王戦では,1組のランキング戦では,豊島九段をくだして順調にスタートしました。また,棋王戦では,挑戦者決定戦に進出しています。相手は伊藤匠七段です。棋王戦独特のルールにより,ベスト4以上は,2敗しなければチャンスがあります。広瀬九段は,準決勝で伊藤七段に勝っています(この勝利で広瀬九段は昇段を決めました)が,伊藤七段がその後,2連勝して,挑戦者決定戦に上がってきました。広瀬九段に連勝すれば逆転挑戦です。広瀬九段は1勝すれば挑戦決定です。伊藤七段は竜王戦で藤井竜王に完敗しただけに,雪辱をはたしたいでしょうし,広瀬九段にとっても,2期前に竜王位を奪われたのが藤井竜王だけに,やはり雪辱をはたしたいでしょう。
 伊藤七段はこれだけ活躍しているのですが,順位戦はC1組で順位1位ながら,52敗で現在4番手です。昇級は3人であり,すでに自力での昇級は期待できなくなっています。伊藤七段くらいの活躍をしていても,C1組から簡単に脱出できないというのが順位戦の怖さです。ただ,それをいうと,今年の前半,藤井八冠(竜王・名人)とのタイトル戦に連続で登場した佐々木大地七段は,なんと最下位のクラスであるC2組から脱出できていません。毎年,高勝率をあげており,今年大きくブレイクしましたが,すでに実力は折り紙付きです。しかし,今期も順位戦では苦戦しています。順位は3位とよいのですが,現時点で,52敗で8番手です。こちらも自力での昇級はなくなり,今期も昇級は厳しそうです(C級2組は,全勝か,順位上位者でも1敗まででなければ昇級は難しいです)。 順位戦,恐るべしです。伊藤七段も佐々木大地七段も実力的にはA級にいてもおかくないと思います。先月のNHK杯で,伊藤七段が完璧な指し回しで,A級棋士の稲葉八段に圧勝した将棋は,そのあまりの強さに,素人の私でも驚いてしまいました。ただ,その伊藤七段でさえ,先の竜王戦では藤井八冠に4連敗と手も足も出なかったのです。藤井八冠の強さは異次元なのです。

« メディアの責任 | トップページ | 「そがれる研究時間」  »

将棋」カテゴリの記事