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2023年11月26日 (日)

大相撲九州場所が終わる

 今日は,大相撲九州場所の千秋楽でした。霧島の132敗の優勝は立派でした。前半で2敗したために,優勝戦線からいったんは姿を消しましたが,そこから9連勝しました。とくに琴ノ若,熱海富士に勝った相撲は,まさに大関の相撲でした。綱取りがかかっていた貴景勝は,やはりだめでした。というか,貴景勝は安定して大勝ちはできないので,横綱にならないほうがよいように思えますが,本人は横綱になりたいのでしょうね。琴ノ若は11勝と成績はよいのですが,負けた相手が悪く,あまり良い印象はありませんね。私たちの世代からすると,顔がお父さんの琴ノ若ではなく,おじいさんの琴櫻に似ているのが懐かしいなという印象です。でもおじいさんやお父さんよりも強いような気がします。
 しかし,何と言っても今場所を盛り上げたのは,熱海富士です。先場所に続いて優勝にからんでいて,その実力は単なる一時的な勢いではありません。来年の今頃には横綱になっているかもしれません。横綱が不在の場所ということですが,毎場所,混戦になっていて,それはそれで面白いのです。この力士の一番は観てみたいという力士がたくさんいます。熱海富士だけでなく,今場所は湊富士もそうですし,関脇の若元春(今場所は不調でしたが)や大栄翔も面白いですし,遠藤の相撲もいいです。それに大関の3人はそれぞれ個性があり,別に横綱がいなくても,そして大関がとびきり強くなくても,十分に楽しめます。
 相撲は,熱海富士のような強い力士が入幕すると,対戦相手が,序盤は下位が多いので,いきなり優勝してしまう可能性があります。勝ち数が増えると,上位陣にあてられるのですが,これは,将棋の竜王戦で,クラスが下位でも勝ち上がることができ,決勝トーナメントで,他の上位クラスの上位成績者との対戦が組まれ,それにも勝ち上がると最終的には1期で竜王をとることが可能というのと,どことなく似ています。一方,横綱になるというのは将棋でいえば順位戦を経て名人になることに相当しそうです。順位戦はクラスが1期(1年)ごとの昇級で,いちばん下のC級2組からA級に上がるためには最短で4年かかり,さらにそこで勝ち上がって名人に挑戦するにはもう1年かかります。相撲でいえば,大関に上がるまでには三役で3場所は必要で(33勝するというのが一応の相場です),さらに大関で2場所は必要です(2場所連続で優勝またはそれに準じる成績というのが一応の相場です)。というように時間がかかるので,横綱になるのは,名人になるとやや似ています。ただ,名人は負けると陥落がありますが,横綱は陥落がありません。それは決定的な違いです(その点では,横綱は,永世名人に似ているのかもしれません)。横綱になるというのは,たんに強いだけでなく,特別な地位につくということなのでしょう(横綱審議委員会があるのも,そのためだということができそうです)。だから,休場が続いても,ある程度は許されるのかもしれません。ただ,横綱不在というのが当たり前というのには,やや違和感があります。負けるのは許されないが,休むのは割りと大目に見てもらえる(あんまり休んでいると引退勧告されることはあります)というのも,ちょっと変な気がします。相撲を純粋にスポーツとして楽しみたいという人もいるでしょう。横綱も実力制と無縁ではないとして,一定の条件で陥落するということにすれば,どうでしょうか。そうしたら,相撲がどう変わるか,ちょっと興味があります。

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