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2023年10月29日 (日)

桃色争議の結末

 NHKの朝ドラ「ブギウギ」の桃色争議は,結局,会社が折れて終結しましたが,争議の主導者(礼子)とその盟友(橘)がともに退職するという形で決着しました。橘は辞職という感じでしたが,礼子のほうは微妙です。いちおう潔く身を引いたという感じですが,会社が解雇した可能性もにおわせていました。時代としては1930年代前半で,当時の日本における労働組合の弾圧状況は必ずしもよくわかりませんが,教科書的な説明でいえば,正面から労働組合を制限する法律があったわけではないものの,刑法(旧法),治安警察法,行政執行法,警察犯処罰令など,労働組合活動家らを処罰できる規定はあり,実際上,発動されていました。礼子らの桃色争議は,一企業内の争議にとどまったことで,警察沙汰にまではしないという脚本にしたのかもしれません。現行法でいえば,正当な争議行為について,首謀者を解雇するというのは,典型的な不当労働行為となりますね。
 ところでストライキといえば,アメリカの自動車産業のUAWのストライキです。企業が次々と労働組合の要求に応じて,こちらからするとびっくりするくらいの待遇を保障する合意をしています。たとえばフォード(Ford)での25%賃上げというのは,すさまじいです。会社の経営が心配となりますが,そんなことは気にしない産業別組合の交渉力のすごさというところでしょうか。もうすぐEVの時代が来るのであり,すでにTeslaやBYDなどが躍進するなか,将来の見通しが暗い産業で,こういうことをしていて大丈夫でしょうかね。
 DXが進むと,これまでの主要産業が斜陽化しますが,労働者は従来の恵まれた状況が忘れられず,争議行為という最強の武器をつかって自身の処遇を守ろうとします。争議行為は経営が安定しているところであれば,建設的な意味もありますが,衰退産業で徹底的にやってしまうと崩壊を早めてしまいます。争議行為で大幅な譲歩をすれば,株主の目も厳しくなります。賢明なプロ経営者は,とっととその産業を見捨てて転職してしまうでしょう。アメリカの自動車産業の争議から学ぶことは,日本の労使にも少なくないと思います。

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