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2023年10月11日 (水)

藤井聡太八冠達成

 Abemaで歴史的偉業の瞬間を観ていました。藤井聡太竜王・名人(七冠)が王座戦で,永瀬拓矢王座に勝って,31敗でタイトルを獲りました。これで八冠の達成となります。今回の王座戦は激戦だったと思います。今日の勝負も,122手目に,藤井竜王・名人が5五銀と指したときは,ほぼ形作りで,永瀬王座が勝ちになっていたようです。アプリのほうの評価値は永瀬100でした(詰みがあるか,自陣に詰みがない状況で必至をかけれる)。次に永瀬王座が指すべき手は,4二玉でした。ところが,5三馬と王手をかけた瞬間,評価値は3になりました。藤井玉に2二に逃げられてしまい,容易にはつかまらなくなりました。そこで5六歩と指されて,逆に永瀬玉が必至となりました。大逆転です。中継を観ていると,永瀬王座は5三馬を指したあと,すぐに失着とわかったようで,髪をかきむしっていました。永瀬王座には悪いですが,とても人間くさい仕草で,悔しさがにじみでていました。たった一手で天国から地獄でした。そういうミスがないような棋士だったのですが,藤井竜王・名人相手に二局続けて大逆転負けです。しかも,本局のほうが衝撃は大きいでしょう。藤井竜王・名人は,相手の悔しさを肌で感じながらも,淡々と勝利に向けた手を,間違わずに指し続けます。最後は,相手の歩の上に桂を打つ美しい手で仕上げました。永瀬王座は投げるに投げきれない感じでしたが,ついに再度の5六歩で投了となりました。ちょうど21時直前で,NHK21時のニュースに切り替えたら,トップニュースがこの対局で,直後に速報のテロップが流れました。
 永瀬王座の名誉王座の夢はついえ(まだ将来のチャンスはありますが),タイトルはすべての藤井竜王・名人の手にあるという,藤井1強時代の到来となりました。羽生善治九段も全冠制覇しましたが,あのころよりタイトルが一つ増えているので(叡王戦),八冠は前人未踏です。歴史的な瞬間を目撃できてよかったです。
 八冠となると,年から年中,タイトル戦をしていることになります。いつかはタイトルを奪われるときもくるでしょうが,それが一体いつになるのか,いまはまったく予想すらできません。現在,竜王戦を伊藤匠七段と戦っていますが,現在の勢いからすると,最も打倒藤井に近いのはこの伊藤七段だと思いますので,まずは竜王戦の今後に注目したいと思います。
 羽生九段の七冠制覇は,1996214日(王将戦で谷川浩司17世名人(現在)に勝利)。それが崩れたのが,同年730日に棋聖戦で三浦弘行九段(現在)に敗れたときです。期間は167日です。これが全冠制覇期間の記録です。次は,藤井八冠が,この記録を破るかが注目されます。なお,藤井竜王・名人が名人位を奪取して七冠をとったのは202361日です。今日(1011日)で,七冠の日数が132日となっています。167日を七冠の記録とみた場合,これを超えることは確実となっています(六冠になるのは,竜王戦に敗れ,かつ,王将戦か棋王戦に敗れなければならず,それは早くても来年2月以降で,167日を大きく超えているからです)。

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