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2023年9月13日 (水)

内閣改造について

 大臣になるには当選回数が重要ということで,どんなに知事などの経験があり実績があっても,国会議員になると,過去の経験は考慮されないようです。まさに年功型であり,岸田政権が労働市場改革をしたいのならば,まずは自分たちがその模範を示すべきでしょう。労働市場の流動化というのは,他企業での経験による蓄積を評価してもらわなければ進まないわけで,だから職務給が適していることになるのですが,国会議員の世界は,議員になる前の経験は考慮しないようです。三ヶ月章先生の法務大臣,有馬朗人東大元総長の文部大臣等,竹中平蔵氏の特命大臣等はありますが,学者の大臣登用はまれで,政治家枠となると,こつこつ積み上げていくという年功型なのです。政治家の世界にも流動性を入れるべきではないでしょうかね。有力な政治家との会食がいやでも,村社会の人間関係がいやでも,ボスザルのような長老政治家にゴマをすることができない人でも,能力があれば登用するというくらいのことをしなければ,岸田さんは言行不一致となるでしょう。
 と思っていましたが,改造内閣はやっぱり年功型で,70歳以上がぞろそろいる「高齢者内閣」です。女性の登用は結構ですが,年功型が前提なので,不徹底です。女性の登用は能力主義ということでなければならず,能力主義であれば年功は関係ないのです。ついでにいうと世襲型も相変わらずです。女性の新閣僚の自見英子氏も土屋品子氏も加藤鮎子氏も,お父さんは有名な政治家です。血統も年功型と相容れないです。もちろん,年功や血統は,能力と比例することが多いといった反論も考えられますが,どこまで説得力があるでしょうか。加藤氏は子育て中ということで,期待は大きいですが,どこまでやってくれるか,お手並み拝見です。
 ところで,岸田首相は人事が好きだそうです。人事となると,みんなが自分にすり寄ってくるわけで,権力を最も発揮できる場ですが,それをはねのけることこそ重要です。人事で恩を売ったりする取引は,国民に迷惑です。人事権は,ほんとうに良い政治をしようとするときには必須です。私たちが,何かプロジェクトを,責任をもってやれと言われたときには,たしかに,誰をメンバーにするかは選ばせてほしいという気になります。人事権がなければ責任をもった仕事はできません。そして,そうしたときのメンバーには,たしかに自分に近い人を集めることはありますが,それは良い仕事をするためということです。いずれにせよ,内閣となると,もっと次元が違う重要性があるのであり,たんに人事が好きというような無責任なことでは困ります。
 個別の人事をみると,ウクライナ(Ucraina)に行ったばかりの林外務大臣をなぜ変えたのか。こういうことをしていれば,日本外交は信用されなくなるのではないでしょうか。後任は上川陽子氏ですが,この方はどうしても死刑執行のイメージが強いです。国際的な場に出ていく外務大臣として,なぜこの人なのか,という疑問が残ります。女性であれば,対外的なアピールとしてよいということかもしれませんが……。
 そのほかの人事では,私の関心があるのは,厚生労働大臣と文部科学大臣です。前者は,武見敬三氏ですが,どうでしょうかね。有名人ですし,お父さんは,もっと有名な武見太郎です。医療には精通しているでしょうが,労働行政については未知数ではないでしょうか。厚生労働副大臣のときの実績は,どうだったのでしょうね。
 文部科学大臣は,神戸大学大学院法学研究科で博士号を取得している盛山正仁さんです。大学のことをはじめ教育面のことをよく存知だと思うので,その力を存分に発揮して欲しいですね。
 自民党内の人事ですが,選対委員長についた小渕優子氏は,例のドリル問題について,関係者に謝罪していましたが,経済産業省という重要ポストを途中をほっぽりだしたことについて国民に謝罪をしたのでしょうか。

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