政治家のお仕事
秋本真利代議士が逮捕されました。洋上風力発電の業者からお金をもらって,業者に有利な質問をしていたそうです。前にも少し書きましたが,報道されているとおりなら,わかりやすい贈収賄事件であり,言語道断です。ほんとうに再生エネルギーのことを考えているのであれば,お金をもらわずにやらなければなりません。お金をもらった以上,再生エネ利権に乗っかった政治家ということで,政治の世界から追放されるのは当然でしょう。裁判の結果はどうなるかわかりませんが,今後は,地道に社会貢献活動をして生きていってほしいです。
秋本代議士は河野太郎デジタル大臣の側近だそうです。菅義偉前首相とも近いそうです。岸田首相にとっては,今回の逮捕は,煙たい存在である菅や河野を弱体化させることができるという面もあるのかもしれませんが,しかし,自民党員が国会でやった質問が問題となって,それを受けて実際に公募ルールが大幅に見直されたということなので,野党は徹底的に追及する必要があり,岸田首相は責任をもって,(これくらいは官僚の書いた文章を読まずに)向き合わなければなりません。自民党内に,他にも同様の利権に群がっている政治家がいないかを総点検して,問題があればきちんとペナルティを与えるくらいのことをしてもらわなければなりません。統一教会問題も,なんとなくうやむやで,総点検しても,点検だけで終わりというのでは意味がありません(自民党の政調会長は,かなり黒なのに,なんで重職についているのかと多くの国民は疑問をもっているでしょう。この人は秋本事件でも,当時の経済産業大臣として,名前が出てきます)。
農林水産大臣の「汚染水」発言もありました。この大臣の悪いうわさは他にも聞こえています。大臣は軽いほうがかつぎやすくてよいと役人は言うかもしれませんが,この大臣については,ちょっと限界を超えているでしょう。農林水産大臣は軽いポストと考えられているのでしょうかね。これからの日本において,とても重要なことを担うところだと思っているのですが。そういえば,安倍内閣のときですが,農林水産大臣であった吉川貴盛も,大臣室などでお金をもらったという贈収賄で有罪判決を受けています。情けないことです。
ところで,龍谷大学が,農学部に新たに農学科を設置したということを聞きました。従来の資源生物科学科を再編したもので,「農・食・環境」の未来にコミットする原石を発掘したい,というスローガンを掲げています。「農・食・環境」は,まさに人類の未来にとって重要なテーマです。DXでいっそうの発展の可能性があります。大学でこういうことを専門的に研究する場が増えていくのは,すばらしいことです。
その一方で,政治家たちは,農や食の責任大臣は無能大臣や収賄大臣であり,環境に関係する再生エネビジネスは利権としかみていないということで,ちょっと絶望的です。
岸田首相にはまったく期待はしていないものの,せめて次の内閣改造では,しっかり日本の将来のことを本気で考えて,仕事ができる大臣を配置してもらいたいものです。当選回数などに縛られるのは,年功型の発想そのものであり,岸田首相のめざす労働市場改革とも方向性は相容れないでしょう。
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