貴景勝優勝
大相撲は貴景勝が優勝しました。昨日,豊昇龍に敗れて,熱海富士と1差がつき,やや厳しいかと思いましたが,千秋楽の相手は,合口のいい大栄翔が相手であったのがラッキーで,朝乃山に敗れて同星となった熱海富士との優勝決定戦は,注文相撲(というのは,ややかわいそうですが)で勝ち,逆転優勝となりました。
逆転ではありますが,もともと前頭15枚目の熱海富士は強い相手とあまりあたらずに星を伸ばしたので,最後,上位にあてられて星が伸びなかったのは仕方ありません。むしろ,北青鵬は,早々に4敗していたので,上位陣とまったくあたらないまま,気づけばあわや優勝ということで,あわてて豊昇龍とあたり,ここで豊昇龍が意地をみせたからよかったですが,優勝しててもおかしくない勢いでした。豊昇龍は勝ち越しがかかっていたので,頑張ったのですが,もし大栄翔 と当たっていたらどうなっていたでしょうかね。番付的には,下位の力士が大勝ちしていたので,貴景勝・霧島,豊昇龍・大栄翔戦が飛んだことになります。もし千秋楽の取り組みが,貴景勝と北青鵬,豊昇龍・大栄翔となっていたら,貴景勝が負けて,大栄翔が勝って,大栄翔が本割でも勝っている熱海富士に優勝決定戦でも勝って優勝し大関に昇進し,豊昇龍は新大関で負け越しで,いきなりカド番なんてことになっていたかもしれません。
これは,あくまで可能性ですが,千秋楽の取組には編成会議も悩んだことでしょう。でも,こういう事態になったのは,優勝ラインが11勝あたりに落ちてくるからです。来場所は,実力のある力士が上位にいるので,こういう下克上場所(結局は下克上は起こらなかったのですが)にはならないような気がします(星を伸ばしそうな力士はきちんと上位陣と対戦し,それなりの星になっているはずです)。ずばり来場所は,私は豪の山が優勝戦線にからんでくると思います。
下克上場所といえば,最近では,2020年1月場所に幕尻の徳勝龍(今場所で引退)が14勝1敗で優勝したことが印象的です。このとき,千秋楽に貴景勝に勝って優勝を決めていました。貴景勝は,そういうこともあり,今日は負けられない思いがあったのかもしれません。個人的には,1984年の9月場所で幕尻に近い多賀竜の優勝が印象的です。その前の場所に全勝優勝して綱取りがかかっていた若嶋津(先代の貴ノ花が引退後は,同じような小兵でがんばっていた若嶋津を応援していました)は,13日までで2敗で,横綱まであと一歩というところまで来ていました。しかし,14日目に1敗だった多賀竜との直接対決が組まれ,それで敗れてしまったので,優勝も横綱もとんでしまいました。若嶋津は千秋楽も負けて,11勝4敗で終わりました。当時,横綱は,北の湖,隆の里,千代の富士と3人もいました。12勝の優勝なら内容が問われるという感じだったと思います。そのため,平幕2人(多賀竜の前に当時まだ平幕だった小錦にも負けていました)に敗れて3敗したところで,綱取りは終わっていたのです。27歳であった若島津は,その後,綱取りのチャンスはめぐってきませんでした(ただし,1985年の3月場所は12勝で準優勝で,5月場所は一応綱取り場所でしたが,10勝で終わりました)。現在は,休場がちの一人横綱ですので,横綱昇進ラインはそれほど高くありません。27歳の貴景勝が,来場所,好成績で優勝して,大願成就をはたせるでしょうか。
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