東京新聞に登場
朝夕は,かなり涼しくなってきましたが,まだ昼間は暑いですね。先週の金曜,関東は台風が直撃したそうですが,その日は東京で開催されている会場での講演がありました。私はリモート参加でしたが,会場の方は大変だったと思います。講演はいまはそれほどやっていませんが,これまでの経験では,トラブルはほとんどなく(あるのはTeamsとWebEXの場合だけで,Zoomは事故なしです),会場からの質疑応答もスムーズで,通信環境さえ整えば問題はありません。聴衆の状況がわからないのは,最初は気になっていましたが,いまはまったく気にならなくなりました。自分の世界に入って集中する鍛錬が知らぬうちにできていたのでしょう。おそらく今後も講演は,原則として,リモート以外はしないでしょう。
この点で気になっているのは,コロナがジワリと増えているということです(インフルエンザも増えつつあります)。ただ軽症の人が多いという噂です(この種のことについての私の情報源は,ご多分に漏れず散髪屋,ではなく美容院です)。とはいえ,呼吸器が弱い私は用心モードを少し高めなければなりませんが,予防用のマスクを忘れて外出して冷やっとすることもときどきあります。
話は変わり,日曜日の東京新聞に,労働組合による賃上げに関する私のコメントが出ています。他にも,多くの人のコメントが出ていました。アメリカで労働組合の結成・活動により賃金が上昇するという報告書が出ているので,日本でも政府が何か同じようなことができないのだろうかというのが記者の方の問題意識です。これについて,すでに日本でも,たとえば最低賃金引き上げというのは,労働組合も関与しているし,その他の非正社員の賃上げなどについても,労働組合の代表者も入っている労政審という議論の場があるということを知っておく必要があるという説明しました。さらに春闘・春季労使交渉というメカニズムで大幅な賃上げが実現していた時代があったのであり,かつてとは違ってきているものの,いまでも春闘は存在しているということも話しました。そうみると,賃上げに大切なのは労働組合へのテコ入れではなく,むしろ産業政策によって,まずは中心となる大企業が収益を上げるようにして賃上げ機運を高め,それが中小などのいろんなところに広がっていくということかもしれない,というようなことを述べました。もちろん賃上げのメカニズムは,このほかにもいろいろあり,労働組合の役割の重要性に変わりはないのですが,記者の方がもっておられた,現状は組織率の低下などにより労働組合の機能が不十分で,だから政府が労働組合にてこ入れしたほうがよいのではないかということについては,私は消極的な意見を述べました。うまく伝わっていればよいのですが。